出版社内容情報
有機エレクトロニクスの実用化に欠かせない技術開発と用途開発の両面について、最新動向を詳述
昨今、ウエアラブル端末やフレキシブル・ディスプレイ、3Dプリンターというキーワードに引きつられる形で、有機エレクトロニクスは再び脚光を浴びようとしています。有機エレクトロニクスは機器を劇的に薄く、軽く、そして柔らかくするだけでなく、電子機器を簡便に製造できる可能性があるからに他なりません。有機エレクトロニクスを取り入れた機器が広まることで、社会が大きく変化するともいえます。
高まる期待に呼応するように、有機エレクトロニクスは今、大きな進化を遂げようとしています。フレキシブル、プリンタブル(印刷可能)という有機材料ならではの特長を生かし、白色照明、太陽電池、半導体デバイスなどの応用展開が、産官学の連携の下で強力に進められています。また、新たな材料や発光メカニズムに関する基礎研究の進展により、半導体特性や発光効率など、材料特性の向上も急速に進んでいます。
ただし、有機エレクトロニクスを実用化するには入念な戦略が必要です。有機エレクトロニクスの特徴を生かす製品やサービスは既存の延長上には描きにくく、有機エレクトロニクスの技術とともにアプリケーションの開発が欠かせません。
本書では、有機エレクトロニクスの実用化に欠かせない技術開発と用途開発の両面について、最新動向をまとめました。さらには、技術戦略を立てる上で欠かせない、経済や産業の先行きを見通す手法なども盛り込みました。ウエアラブル端末やフレキシブル・ディスプレイ、3Dプリンターなど新たな視点での事業展開を狙う上で、さらには医療/ヘルスケア業界、建設業界などエレクトロニクス技術で付加価値を生み出そうとする業界の将来像を描く上で最適な一冊です。
◆第1章◆開発戦略
未来予測:企業戦略を立案するうえで欠かせない未来予測の手法の要諦
産業構造:21世紀における事業化のポイント
企業戦略:大日本印刷や三菱化学における、有機エレクトロニクスの事業戦略
◆第2章◆有機EL
頭脳集積地が狙う先:有機ELの研究開発拠点として世界トップクラスにある
九州大と山形大学における研究開発の狙いや最新動向
◆第3章◆センサー/有機回路
フレキシブル回路:人工皮膚や大面積回路などの研究開発最前線
ディスプレイ:電子ペーパーの最新研究開発事例
デバイス/材料:高移動度有機半導体によるデバイス開発や、高機能を実現するための材料開発の最新事例
◆第4章◆太陽電池
色素増感:液体および全固体色素増感太陽電池の最近動向
有機薄膜:三菱化学の取り組