出版社内容情報
「闘うビジネス弁護士」の代表格で、人気弁護士ランキングの常連だった著者(久保英明)の自伝的ノンフィクション。
埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)の質屋の息子に生まれた正義漢あふれる少年が、弁護士を目指し、企業と癒着していた総会屋や暴力団との修羅場を乗り越えてトップ弁護士になり、現在は東電原発被害賠償請求や国を相手取った1票の格差訴訟、第三者委員会調査報告書格付け、医療法人や社会福祉法人のガバナンス改革など多彩な活動に注力する姿を描く。牛島信、河合弘之、中村直人各弁護士などの証言「私のクボリ論」を多数収録。
以下は本書からの引用。
「日本一黒い顔の弁護士」
「日本一派手なネクタイと派手なスーツを着た弁護士」
もちろん、これは私のことだ。記者会見に同席する私の様子をテレビで観た人は、
その発言よりも、まず容姿に強烈な印象を受けるようだ。ヤクザ相手の債権回収や総
会屋相手の株主総会指導などを手掛けていたから、こうなったというわけではない。
ただ、総会屋が記憶に刻まれた私の顔を見て「あいつがいる」と逃げ腰になったこと
は事実。株主総会の場に私がいるだけで、魔除け、総会屋除けになった。
このスタイルのまま、私は1995年に日経ビジネス誌の「第1回企業が選ぶ人気弁護士ランキング」で1位に選ばれた。 96年、98年、2000年もトップを維持した。だが、それが私の自慢ではない。
私の称号としては、「日本一訪問した国が多い弁護士」(2017年8月で170カ国)と「日本一著作の多い弁護士」(2017年の本書で76冊)のほうが気に入っている。私の生活信条である「よく働き、よく遊べ」、ワーク・ライフ・シナジーを象徴しているからだ。弁護士になってから土日もなく、他人より短い睡眠時間で働き、休暇中は仕事をしないと宣言をして、「久保利は死にました」という張り紙をデスクに残して、毎年、夏3週間、冬2 週間、の長期休暇を取り、海外へ逃亡してきた。
常に大義のために何かと闘ってきた。相手を説得するまで決して諦めない。依頼者のために全体力と全脳みそを使ってきた。自分にとって弁護士は天職であり、自分は「全身、これ弁護士」なのだと思っている。
内容説明
かつて人気弁護士ランキングのトップを独走した男が、企業と国の「ガバナンス」を問い続ける理由とは?原発被害賠償請求で東電を相手にし、1票の格差訴訟で国と戦う特異な弁護士の物語。
目次
第1部 全身弁護士クボリ(弁護士になるまで;歩いた後に道ができる―弁護士と起業家精神;孤独なトップランナー)
第2部 闘争業としての弁護士(ライオンと防弾チョッキ;疾風怒涛のバブル戦記;革命は辺境から―弁護士とイノベーション;攻めのガバナンスを求めて―東電賠償請求・1票の格差訴訟;私の人物論)
著者等紹介
久保利英明[クボリヒデアキ]
日比谷パーク法律事務所代表弁護士、桐蔭法科大学院教授。1944年生まれ。67年司法試験合格、68年東京大学法学部卒業。71年弁護士登録、森綜合法律事務所入所。98年日比谷パーク法律事務所を開設。2001年度第二東京弁護士会会長、日本弁護士連合会副会長。現在、日本取引所グループ社外取締役、農林中央金庫経営管理委員、ソースネクスト社外取締役、1人1票実現国民会議共同代表
磯山友幸[イソヤマトモユキ]
ジャーナリスト。1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、日経ビジネス副編集長、同編集委員。2011年4月からフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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