China 2049―秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」

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China 2049―秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」

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  • サイズ B6判/ページ数 438p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784822251048
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0031

出版社内容情報

本書はマイケル・ピルズベリーのCIAにおける経験に基づいて書かれ、CIAのエクセプショナル・パフォーマンス賞を受賞した。「パンダハガー(親中派)」のひとりだった著者が、中国の軍事戦略研究の第一人者となり、親中派と袂を分かち、世界の覇権を目指す中国の長期的戦略に警鐘を鳴らすようになるまでの驚くべき記録である。 本書が明かす中国の真の姿は、孫子の教えを守って如才なく野心を隠し、アメリカのアキレス腱を射抜く最善の方法を探しつづける極めて聡明な敵だ。我々は早急に強い行動をとらなければならない。
──R・ジェームズ・ウールジー(元CIA長官、民主主義防衛財団会長)


 本書は米国における中国専門家として著名であるばかりでなく、米国政府の対中政策に最も深く関わってきたマイケル・ピルズベリー博士の中国論である。その本人が本書の冒頭で、米国は中国の国家戦略の根底にある意図を見抜くことができず、騙されつづけてきたと告白する。この告白は衝撃的である。
 我々はこれほど中国に精通し、中国要人と交流のあった同博士でさえ中国に欺かれ続け、それを知らずに歴代米国政権が対中政策をピルズベリー博士の助言や勧告に基づいて進めてきた事実を知って今更の如く愕然とする。
──森本 敏(拓殖大学特任教授・元防衛大臣)



 1990年代後半のクリントン政権時代、著者のマイケル・ピルズベリーは国防総省とCIAから、中国のアメリカを欺く能力と、それに該当する行動を調査せよ、と命じられた。諜報機関の資料、未発表の書類、中国の反体制派や学者へのインタビュー、中国語で書かれた文献をもとに、中国が隠していた秘密を調べはじめた。やがて見えてきたのは、中国のタカ派が、北京の指導者を通じてアメリカの政策決定者を操作し、情報や軍事的、技術的、経済的支援を得てきたというシナリオだった。これらのタカ派は、毛沢東以降の指導者の耳に、ある計画を吹き込んだ。それは、「過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命100周年に当たる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する」というものだ。この計画は「100年マラソン」と呼ばれるようになった。共産党の指導者は、アメリカとの関係が始まった時から、この計画を推し進めてきたのだ。そのゴールは復讐、つまり外国が中国に味わわせた過去の屈辱を「清算」することだった。
 本書は、ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者が、自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の知られざる秘密戦略「100年マラソン(The Hundred-Year Marathon)」の全貌を描いたものだ。日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係、そしてビジネスや日常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。

序 章 希望的観測
第1章 中国の夢
第2章 争う国々
第3章 アプローチしたのは中国
第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
第5章 アメリカという巨大な悪魔
第6章 中国のメッセージポリス
第7章 シャショウジィエン
第8章 資本主義者の欺瞞
第9章 2049年の中国の世界秩序
第10章 威嚇射撃
第11章 戦国としてのアメリカ

解説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか
──森本敏(拓殖大学特任教授・元防衛大臣)

【著者紹介】
マイケル・ピルズベリー Michael Pillsburyハドソン研究所中国戦略センター所長。国防総省顧問。スタンフォード大学卒業、コロンビア大学大学院博士課程修了。リチャード・ニクソンからバラク・オバマにいたる政権で対中国の防衛政策を担当。ランド研究所分析官、ハーバード大学リサーチフェロー、上院の四つの委員会のスタッフを歴任。外交問題評議会と国際戦略研究所のメンバー。ワシントンD.C.在住。

内容説明

米国を出し抜き、2049年に世界覇権を握るための秘密戦略、中国「100年マラソン」の全貌。

目次

希望的観測
中国の夢
争う国々
アプローチしたのは中国
ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
アメリカという巨大な悪魔
中国のメッセージポリス
殺手〓(シャショウジィエン)
資本主義者の欺瞞
2049年の中国の世界秩序
威嚇射撃
戦国としてのアメリカ

著者等紹介

ピルズベリー,マイケル[ピルズベリー,マイケル] [Pillsbury,Michael]
ハドソン研究所中国戦略センター所長。国防総省顧問。スタンフォード大学卒業、コロンビア大学大学院博士課程修了。リチャード・ニクソンからバラク・オバマにいたる政権で対中国の防衛政策を担当。ランド研究所分析官、ハーバード大学リサーチフェロー、上院の四つの委員会のスタッフを歴任。外交問題評議会と国際戦略研究所のメンバー。ワシントンD.C.在住

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

93
米国のニクソンからオバマにいたる政権で、対中国防衛政策を担当した著者が語る中国の脅威◆これまで中国という国は羊の皮を被り続け、水面下で爪を研いでいた。米国との共存となれば日本は中国圏に組み込まれる可能性は充分にある。無関心ではいられない。◆かつて米国は中国に対して「脆弱な中国を助ければ、やがて民主的で平和的な大国になる」という希望的観測を持っていた。しかし、中国という国は共産党革命100年に当たる2049年までに世界一を奪取するという目論見があった。近年中国関係者はこのことを憚ることなく口に出し始めた。2019/10/27

Miyoshi Hirotaka

47
中国という呼称が定着したのは戦後。それまでは支那と呼ぶのが普通。略称が台湾と中共が同じなのがややこしい。支那は征服王朝が入れ替わり、政治システムの一貫性はない。一方、半植民地時代からの劣勢を挽回し、世界の頂点を目指す「百年マラソン」が進行中。わが国を戦争に引き込んだのも、ソ連の前で弱いふりをしたのも、朝鮮を戦わせたのも全てが策略。人権、民主主義、環境などの価値観を受け入れる気はなく、努力する素振りは時間稼ぎが目的。国家戦略は支那人の歴史的な知恵の産物。孫子の兵法や戦国策から導かれる思想が基になっている。2017/08/02

Tui

39
ごめんなさい、私かつて対中政策を担当していた者ですが、あの国を甘く見てました。このままだとアメリカが負ける流れです。もう手遅れかもしれませんが、軌道修正するために不可欠なことをお伝えします、懺悔します。という博士による本。中国はアメリカに強い警戒と敵意を持ち、100年マラソンという名のもと2049年に経済的にも軍事的にも世界の覇権を握ることを目指す国、として報告されています。その内容は今の中国の対外政策と極めて合致しており、あまりの現実味に読んでいて空恐ろしくなる。さて日本は…呑気だとしか言いようがない。2016/08/09

Willie the Wildcat

32
中国共産党革命100周年の2049年での覇権!?政治・経済・軍事のみならず価値観への影響力行使。基本的人権や自由、あるいは環境問題への脅威。AIIBなど、国際機関の秩序見直しの兆候が個人的には気になる。著者の多彩な調査結果からの論理展開は理論的。一方、『資治通鑑』や『兵法三十六計』の視点は興味深いが、至極当然のアプローチとも言える。但し、伝統的思想を踏まえた戦略立案・実施は有用。中国の切り崩しに負けない同盟諸国とのこれまで以上の密な連携の維持が生命線。それにしても古書・格言に改めて感じる中国の歴史の重み。2016/04/11

James Hayashi

31
15年の書と思うが、既にファーウェイの通信機器問題に触れている。オバマはもちろん、日本政府は手を討たなかったことが不思議なくらい危険性がある。ブレインウォッシュの語源は中国の洗脳だという。いかに共産化を強化していくか。それに付随し米国の覇権を奪い取ること。覇権の覇はtyrant、専制君主、圧政者が近い意味という。アメリカ帝国から中華帝国へ。しかし雲行きは怪しくなってきた。コロナ禍から国内暴動、他国から補償裁判、バッタ嵐が近づく。中国は格言が好きな様なので「詩経」より厚顔無恥という言葉を差し上げたい。再読。2020/04/18

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