そうじ資本主義―日本企業の倫理とトイレ掃除の精神

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そうじ資本主義―日本企業の倫理とトイレ掃除の精神

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822251017
  • NDC分類 335.15
  • Cコード C0034

出版社内容情報

「凡事徹底」忘れるなかれ――。
本田宗一郎は昭和28年、ホンダ社内報の創刊号で「働らく者の徳義心」と題して掃除や整理整頓の大切さを説き、松下幸之助は大正12年、正月を前にして工場のトイレを自分で掃除した。名経営者はなぜ掃除にこだわったのか?
20世紀初頭、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、禁欲的なキリスト教徒たちが近代資本主義の発達を支えたことを解き明かした。同時にウェーバーは、儒教の国では近代資本主義を発達させる原動力が働かないと指摘した。
しかし日本は、欧米とは違う「精神」を支えとして、資本主義を発達させてきた。その「精神」は、トイレ掃除の中に隠れているのである。

序 文(加護野忠男・甲南大学特別客員教授) マックス・ウェーバーも予想しなかった「そうじ資本主義」の発達
はじめに 「タイム・イズ・マネー」と「掃除・イズ・マネー」
第1部 日本企業の倫理
第1章 「時は金なり」の本当の意味 『プロ倫』が現代人に教えること
第2章 「遅刻」と「おしゃべり」 日本人は本当に勤勉なのか?
第3章 「まねる」と「禁止」 伝統的コミュニティ内のしつけ法
第4章 掃除・イズ・マネー 日本における「科学的管理法」の導入
第5章 5Sの進化 本田宗一郎はなぜ掃除にこだわったのか?
第6章 ディズニーランドの掃除 日本の掃除と何が違うのか?
第7章 目的志向と手段志向 ピカピカに磨き上げる意味は何か?
対談(鍵山秀三郎・イエローハット創業者、塚越寛・伊那食品工業会長) 「凡事徹底」 掃除と企業経営
第2部 トイレ掃除の精神
第8章 「やらない理由」は聞きません 松下幸之助が自分でトイレを掃除した理由
第9章 「自力」から「他力」へ 従業員たちに宿る心
第10章 ウェーバーの警鐘 トヨタが掃除をやめたらトヨタでいられるのか?

【著者紹介】
日本大学経済学部教授。2001年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。城西国際大学経営情報学部ならびに福祉総合学部専任講師、東京国際大学商学部助教授を経て、現職。著書に『トイレ掃除の経営学』(白桃書房)、『毎日の掃除で、会社はみるみる強くなる』(日本実業出版社)などがある。大阪商工会議所「掃除でおもてなし研究会」座長。同会主催のセミナーは、大阪商工会議所始まって以来の最大参加者900人を集めた(2013年)。

内容説明

禁欲的な人たちが、金儲けが好きな人たちより、富を生み出すようになったのはなぜか?「凡事徹底」忘れるなかれ。

目次

第1部 日本企業の倫理(「時は金なり」の本当の意味―『プロ倫』が現代人に教えること;「遅刻」と「おしゃべり」―日本人は本当に勤勉なのか?;「まねる」と「禁止」―伝統的コミュニティ内のしつけ法;掃除・イズ・マネー―日本における「科学的管理法」の導入;5Sの進化―本田宗一郎はなぜ掃除にこだわったのか?;ディズニーランドの掃除―日本の掃除と何が違うのか?;目的志向と手段志向―ピカピカに磨き上げる意味は何か?)
第2部 トイレ掃除の精神(「やらない理由」は聞きません―松下幸之助が自分でトイレを掃除した理由;「自力」から「他力」へ―従業員たちに宿る心;ウェーバーの警鐘―トヨタが掃除をやめたらトヨタでいられるのか?)

著者等紹介

大森信[オオモリシン]
日本大学経済学部教授。2001年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。城西国際大学経営情報学部ならびに福祉総合学部専任講師、東京国際大学商学部助教授を経て、現職。大阪商工会議所「掃除でおもてなし研究会」座長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

94
日本の経営者には掃除を大切にする人が多い。経営において掃除が持つ意味が大きいからだ。掃除を通した日本人の精神についての本◆マックス・ウェバーによればプロテストタント信者が多い地域ほど近代的な会社が多いと。日本では100年前、従業員が勤勉に働かないため掃除を導入した。◆トイレ掃除の効用◆ビジネスの世界では儲けることとは別の世界を大切にしている人たちが成功している。一見、非合理なものが合理性の下支えをしている。プロテスタントも掃除も設けること以外の大切な何かを教えてくれるというのが結論だろう。2019/11/02

matfalcon

37
企業経営と掃除の関係性に注目。掃除を続けることで人々に宿る精神を探究し、日本企業並びに日本人が真に大切にすべきものは何かを考察する。鍵山秀三郎(イエローハット創業者)×塚越寛(伊那食品工業会長)の対談も収録。2018/06/09

hatman

12
宗教的背景(エートス)が無い日本人が資本主義で生き残れているのは5Sや掃除のおかげ。が本著の主張。 誰の仕事でもない仕事をどう扱うかによって、その組織は良くもなり悪くもなる。この最たるものがトイレ掃除。 産業革命によって、組織化されて営利目的で働くようになる。このとき、これまで主に農作業をしてきた人々は、見ず知らずと集団で働くことに面食らい、遅刻の概念すらなかった。このパラダイムシフトはなかなか受け入れられない。2020/03/30

小木ハム

8
『取締役部長が、笑顔で、箒を持って平社員と一緒に溝そうじしていた』自分がある会社に就職した理由のひとつ。誰でもできることと侮ってはいけない。真に見るべきは副次的・間接効果のほう。この本ではそういった視点と、19世紀前半からの5Sの歴史、海外と日本の違い、音に聞く大企業の掃除感を紹介しています。小事への向き合い方に、その人の、その組織の倫理観が現れる。『大きく成功している人たちは″儲けること″とは別の何か大事なことを守っているのではないでしょうか』2018/01/25

ネクロス

6
掃除かぁ。整理整頓の大事さよ。自力、利他、他力の組合せなど、在り様の問題にも触れる。2015/12/19

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