内容説明
ジャパンマネーが世界を席巻し、日米経済の激突がピークの1980~90年代。一貫してわが国の国際金融の参謀本部に身を置く。後に財務長官となったガイトナー等と対峙した筆者が、日米金融交渉のロジスティックスから戦略まで、その要諦を語りつくす。
目次
序章 対米交渉の最前線で(国際金融の「参謀本部」;ジャパン・アズ・ナンバーワン)
第2章 日米円ドル委員会―ロジスティックス担当、“通訳”として(金融自由化をめぐる日米直接対決;日本側の事情 ほか)
第3章 日米構造協議―合意文書の取りまとめ責任者として(日米激突のピーク;米国側の理論武装 ほか)
第4章 日米金融サービス協議―議長として(三匹目の「おばけ」;最初が肝心 ほか)
終章 将来のために(交渉成功の三つの布石;私の歴史的使命)
著者等紹介
久保田勇夫[クボタイサオ]
1942年生まれ。福岡県出身。1966年東京大学法学部卒業、大蔵省入省。1969年オックスフォード大学経済学修士。国際金融局国際機構課長、大臣官房参事官(副財務官)、国際金融局為替資金課長、大臣官房審議官、国際金融局次長など長年、わが国の国際金融政策の中枢に席を置く。この間、日米初の本格的な為替・市場問題の協議(日米円ドル委員会)、日米構造協議、サミット、G5、G7などの国際金融交渉にかかわり、日本側議長として1995年の日米金融サービス協議をまとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お抹茶
2
著者は元大蔵官僚で,日米金融サービス協議などを取り仕切った。交渉の舞台裏を書き,交渉術や役人の在り方を記す。アメリカでは,次官補代理以上の政治的任用者と課長以下のプロフェッショナル公務員との微妙な関係を掴むこと。アメリカの提案は生煮えの段階でも簡単に提示される。イギリス人の英語は厳密。アメリカ人には卓抜した人物は少なくても,競争と適正な評価システムの影響で全体では圧倒的に強い。省庁の円滑な行政に公務員としての最終的な責任を持つのが次官の役割。妥協のタイミングの見極めと背後の業界の判断を知ることが大切。2017/07/23




