目次
第7篇 資本の蓄積過程(単純再生産;増殖価値の資本への変容;資本制的な蓄積の一般法則;いわゆる原初的な蓄積;現代の植民理論)
著者等紹介
マルクス,カール[マルクス,カール][Marx,Karl]
1818~1883。ドイツ生まれの思想家、共産主義運動の理論的指導者。ユダヤ教からプロテスタントに改宗した弁護士の父を持ち、自身も洗礼を受けた。ボン大学、ベルリン大学、イエナ大学で学ぶ。学位請求論文は『デモクリトスとエピクロスの自然哲学の差異』。ヘーゲル左派として出発。ケルンで創刊された「ライン新聞」主筆を務め、終生の盟友フリードリヒ・エンゲルスと出会う。ブリュッセルで共産主義者同盟に加わり、48年、同盟の綱領として起草された『共産党宣言』を出版
中山元[ナカヤマゲン]
思想家・翻訳者。1949年生まれ。東京大学教養学部中退。インターネットの哲学サイト「ポリロゴス」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かわうそ
32
新しいシステムが生まれる時は背景に必ず暴力があるのだという。資本の原始的な蓄積は民衆の財産を収奪することによって行われた。ヨーロッパでは最初に羊毛の価格が高騰し、牧草地が重要になったことそれに伴い畑で働いていた農民を追い出すことが必要になった。そして、土地の占有者が生まれ、さらには宗教改革によって教会の土地が明け渡され、それが資本の蓄積をさらに加速させた。 また、常に相対的人口過剰を作り出すことがいかに資本主義にとって大切かよくわかった。自民党が移民や子作りに必死なのも潜在的なブルジョワ根性によるものか2024/06/18
タカオ
3
この本でも、しつこくてわかりにくい例示に辟易したが、最後の4分冊目だったので、意地で読み切った。そのため、残念ながらあまり内容が頭に残っていない。この本を表す一文は「多数の民衆が少数の強奪者を収奪するのである」か。個人的には、注[252]「ブルジョワジーの没落とプロレタリアートの勝利はどちらも避けがたいことである」が簡潔でわかりやすい。内容がおもしろかったのは第24章第6節『資本家の誕生』。よし、かの有名な『資本論』(第一巻)、読了。おすすめはしません、資本論は解説本を読んだほうが、絶対にいいと思います。2016/11/28
mass34
3
第一巻の4分冊目です。資本主義の発生について書かれてあります。何もかも奪われて、困窮する労働者が如何にしてできるのかが、書かれてあります。一所懸命読んできましたが、資本主義社会について、客観的に書いているように見せかけて、実は…。みたいな気持ちにさせられます。やっぱり、資本「論」であって、学術論文ではないのかも。なんだか、すっきりしないなぁ。でも、第一巻を通読できてよかったです。さぁ、二回目行こう。かな。2015/07/29
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
「原初的蓄積」から「資本が資本を生む形態」への飛躍をつかむこと。「宗教改革」の経済史的位置づけ→封建的土地所有の否定と近代的土地所有の創出。「資本とはたんなる物ではなく、物によって媒介された人格のあいだの社会的な関係であることを発見」→「資本」を実態概念としてではなく関係概念として捉え直すこと。「黒人は黒人である。ある特定の関係において、黒人は初めて奴隷となる。黄金はそれ自体では貨幣ではなく、砂糖はそれ自体では砂糖の価格ではない・・・資本は社会的な生産関係なのである。歴史的な生産関係なのだ」云々2017/01/29
yuui02
2
土地を持ち生活手段、生産手段をもっていた農民(家内工業も営み工業と農業は切り離されていなかった)が収奪され、工業と農業が切り離され、賃金労働者になっていく。資本制的生産様式が産まれる過程はあまりにも悲惨で残酷なものだった。資本制的生産様式の中では生産手段と生活手段を資本家が持ち、労働者は生活のために自らの労働力を売るしかなくなる。自ら自立、自営する労働者は資本のためには邪魔になる。そうして最終的には労働者だけではなく資本家の収奪もはじまり富は更に少数の者に集中、独占されることになる。2013/09/17