インド 厄介な経済大国

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  • サイズ A5判/ページ数 477p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822247119
  • NDC分類 302.25
  • Cコード C0097

出版社内容情報

インダス文明の流れを汲むスピリチュアルなインドと、ITをテコに経済的な離陸を果たし、経済大国に向かって突き進むインド。インドを贔屓する外国人は大抵、インドのもつ精神性に惹かれ、とことん嵌ってしまう。だが、世界最大の貧困人口を抱え、その社会はカーストと宗教に引き裂かれた、矛盾に満ちた国家がインドである。
本書は、旧宗主国である英国のジャーナリストがインド社会の奥深くに入り込み、政治、経済、社会のありのままの姿を描いたルポルタージュ。サービス部門から経済成長がはじまった特異な経済、非効率で汚職が蔓延する役所や裁判所、選挙を左右する下位カーストのパワー、イスラム原理主義と鋭く対決するヒンドゥー原理主義の素顔、いまなお隠然たる力を誇るネルー・ガンジー王朝など、インド社会の不変な部分と変わりゆく部分を手厳しく、かつ温かに描いている。著者は、米中にインドを加えた3国が世界を動かす時代がやってくると予想し、そのためにインドが克服すべき課題も挙げている。

内容説明

復活する大国インドの壮大なる矛盾と可能性。アマルティア・セン(ノーベル経済学賞受賞者)が激賞した元ファイナンシャル・タイムズ支局長による卓抜な現代インド論。

目次

第1章 グローバル化と中世の生活―インドの分裂した経済
第2章 ブッラ・サーヒブ―どこまでも伸びる国家の長い触手
第3章 社会的公正を求めて―下位カーストの台頭
第4章 想像上の馬―ヒンドゥー至上主義の引き続く脅威
第5章 おべっか、万歳!―会議派とネルー=ガンディー王朝の変わらぬ事情
第6章 たくさんの三日月―南アジアの引き裂かれたムスリム
第7章 トライアングル・ダンス―なぜインドと米・中の三国関係が二一世紀の世界を形作るのか
第8章 新しいインド、古いインド―インド近代化の重層的性格
結論 インドは負けるのか―二一世紀インドの機会と課題

著者等紹介

ルース,エドワード[ルース,エドワード][Luce,Edward]
オックスフォード大学で政治学、哲学、経済学を専攻。ロンドン市立大学では新聞ジャーナリズムの大学院課程を修了した。1995年からはフィナンシャル・タイムズに勤務。途中で1年間アメリカに渡り、クリントン政権の財務長官を務めたラリー・サマーズのスピーチライターとして活動した。2001年から2005年まで、フィナンシャル・タイムズの南アジア支局長としてニューデリーに滞在、現在はアメリカのワシントンDCで、同紙のワシントン解説者となっている

田口未和[タグチミワ]
1963年、北海道生まれ。上智大学外国部学部卒。新聞社写真記者を経て、現在は撮影活動を続けながら、ノンフィクションを中心に翻訳に携わる。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Haruko

2
ぎょうさん 神様おるのになんでやねん?という原題(IN SPITE OF THE GODS)であろうか。インド人の妻、FT支局長としてインド滞在 という深い造詣 愛情の下に、インド社会の病理を丁寧に取材した内容である。2006年出版であるから、続編があれば是非読みたい。本書のような率直なインタビューに基づくものであれば。人事権をもつ議員のご機嫌ばかりを伺い、国民蔑ろ という行政機関の話は、いずこも同じ。 渾身の力作が、残念な邦題というのもよくある話。 2017/08/08

cybermiso

1
インドの風習・政治・社会について、テーマごと調査を行い、掘り下げた濃密な本。インドという不思議な地域について片鱗を垣間見ることができる貴重な本。経済をけん引している都市部と農村部の乖離や、(風習はもちろん異なる)北部と南部の経済・政治面での違いなど、ためになった。うまくいっている南部よりも、どちらかというと汚職やヒンドゥー色が濃い北部中心にまとめられているが、それだけではない。インドという国家はカーストや民族、宗教がモザイク状に入り組んでおり、我々が想像する国家の範疇を超えるのだと強く感じた。2018/01/18

O. M.

1
本書は、インド取材歴の長いジャーナリストによる、インドの社会・政治についての評論書です。内容は、産業構造・労働市場の問題、公務員の腐敗、現在に生きるカースト制度、政治勢力、国際関係、新世代の価値観の変化など。著者自身が書いていますが、本書は著者の取材経験に基づく主観的な印象を反映したものです。従って、インド初心者の方が読むと、日本の週刊誌を読むのと同じで、無用なバイアスがかかってしまうかも。しかし、平凡な経済指標をまとめただけの人畜無害な本と比べると、間違いなく面白いし、熱さがあって良いと、私は思います。2014/08/24

mittsko

1
【書きかけ】こういうインド総括の本は 英語では実はコンスタントに出てる それが時々邦訳されるというわけ 2013/02/28

むぅ

1
When I visited at office in Delhi, my boss recommended me reading this books if I want to be stationed in delhi. 2010/09/15

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