出版社内容情報
ネットワーク障害の連発、新サービスを出せない、何に使うか分からないNGNの構築、グループ内闘争に明け暮れるなど、迷走するNTTの現状と今後の行方を解説する。
内容説明
“NTTを縛る何か”が引き起こす弊害は、ネットワーク運用の不備、サービス開発力の欠如、組織問題など形を変えていろいろなところに姿を現わす。それぞれの事象は一見、全く無関係のように思えるかもしれない。しかしその根幹を探ると、NTTを縛っているものの姿が見えてくる。通信・放送融合で直面するジレンマとは。
目次
序章 不安な兆候(崩れ始めたNTTの信頼性;百年かけて育てた電話的価値観 ほか)
第1章 NTT技術陣の現実(障害はなぜ起こったのか;恒常的に発生していた問題 ほか)
第2章 サービス開発を縛る「電話」の影(サービス開始前にしぼんだ期待感;NGNトライアル中も「がっかり」の声 ほか)
第3章 体制維持にこだわるNTTの事情(アナリストから失笑を買う「株主のため」発言;法人ユーザーによるNTTへの厳しい評価 ほか)
第4章 NGNにおける迷走(“過去の遺産”に頼った収益構造;コミュニケーションズとドコモも電話に頼る ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
norio sasada
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https://blog.goo.ne.jp/sasada/e/8ab236f37e63dbee512df1cc56af1aea https://note.com/norio0923/n/n16fe9bf508652008/03/23
ハンギ
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NTTの内幕について元NTTコミュニケーションズ社員が書いた本。内部事情に詳しい。ソニーもそうだったけど、NTTは持ち株会社制であり、これは財閥型企業の形態である。持ち株会社批判の観点から書かれている。その持ち株会社からのトップダウンの指令が現場を無視した物になりがちだと言う事は問題であるだろう。また柔軟性を欠いているので、竹中平蔵総務相時代には分割されそうになったそうだが、政治家との結びつきでなんとかNTTは乗り切っている。主にNTT系の政治家には片山虎之介、元NTT社員の世耕弘成がいる。2013/02/19
やまら
0
NTTは公社時代からの電話事業のやり方から脱却できていない様子が、よくまとめれ分かりやすく書かれている。フレッツで提供しているサービスとNGNで提供しているサービスが何が違うの?の問いに明確に答えられないのは、どんなサービスを提供して、何で儲けるのかというビジョンの欠如からなのか。2012/01/07
タナサト
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★★★☆☆ 旧態依然としたNTTグループの全貌。世紀の発明である「電話」も、現在では単なる1アプリに過ぎなくなってしまった、と。それに気づけない老人の悲劇か。2009/09/01
サル
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NTTは電話回線文化により成長し、ネット回線文化に移行することを妨げた。 トップ企業が陥りやすい、成功事例への執着が日本を代表する企業では須らく起こっているという事実、 NTTデータやNTTコミュニケーションなど派生する企業は今ではその道をけん引しているが、今後も同じような轍を踏むことがないことを祈る。2020/09/08