ぶんか社文庫
おバカさん

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  • サイズ 文庫判/ページ数 387p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784821152216
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ある日、銀行員隆盛、その妹巴絵の前に風の如く姿を現わしたフランス人、ガストン・ボナパルト。ナポレオンの末裔と称する見事に馬面の青年は、臆病で、お人好し。曲がったことはしないが、行く先々に珍事をまき起こしていく。その一方で彼は人々の心を温かい光で満たしていくのである。「おバカさん」に出会ったら、人は優しさに満たされていく。

著者等紹介

遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年東京生まれ。1955年『白い人』により第33回芥川賞を受賞。1958年『海と毒薬』により第12回毎日出版賞、第5回新潮社文学賞を受賞し、文学的地位を確立。1966年『沈黙』により第2回谷崎潤一郎賞を受賞。1970年にはローマ法王庁から勲章受章。1979年芸術学院賞受賞。1993年『深い河』刊行。翌年第35回毎日芸術賞受賞。1995年文化勲章受章。1996年9月26日、逝去。享年73歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんすけ

19
高校生だったころ友人と回し読みしていた。 主人公ガストンはフランスから風来坊のようにやってきた男。文通相手だった隆盛を頼って、それ以外に知り合いもなくやってきた大男。馬ずらで見栄えもしない。 でも心根は人一倍に優しい。ムイシキン侯爵のように。 隆盛はグウタラだが人は良い。妹の巴絵は巴御前みたいに気が強い。だからガストンを見た瞬間にゲンナリしてしまう。 でも人を疑うことを知らないガストンを見ているうちに何か心が揺さぶられる。 あの人はバカじゃないのよ。おバカさんなのよ。 2022/07/17

こけこ

2
周りの人たちを幸せにするガストン。ガストンのような存在になりたい。2018/08/30

ぷるぷる

2
これこそ冗談に見せかけた本気。遠藤周作先生のユーモア小説第1弾。フランスから東京にやってきたイケてない男ガストンが珍騒動。面白いがどこか物悲しい雰囲気がある。この愚鈍で格好悪くて特技もないのに困ってる人を放っておけないお人好しぶりに、初め笑い、そのうちイライラし、最後には心を打たれる。エンディングは少々肩透かしだがそこはどうでも良い。学生の頃に読んだ時は全く気が付かなかったが、今になって読み直してこのガストンこそが遠藤周作の考えるイエス・キリストであり神そのものであると気がついて言葉がなくなった。2017/04/22

リトルリバー@中四国読メの会参加中

2
日本版『白痴』なのかと思って、ドストエフスキーの方を読み終えてから、読み始めた。結果的には『白痴』そのものとはほとんど関係がなかった。ドストが「純粋で美しい人間」そのものを書こうとしているのなら、遠藤はその美しい人間をとおして見る「人と社会」を描こうとしているように思う。それにしても、いつもながら遠藤周作の本はそのテーマに比べて予想以上に読みやすい。特に本作は題名からもわかるとおり、あえて読みやすく書いているのがわかる。ぜんぜん固くなくて、どちらかと言えばユーモア小説で、読みながら思わず笑みがこぼれた。2012/10/31

Ayumi Katayama

1
人間が信じられなくなったら、この本を読んでみてはいかがか。2017/05/28

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