出版社内容情報
花王のほか、上場企業の社外取締役を歴任した著者が、日本企業の良さを改めて説く、これからの会社のあり方を示唆する経営論。バブル崩壊後の景気低迷にあって、短期的な成果に目が向きがちな米国流経営を取り入れる日本企業が多くなりました。その結果、業績ばかりが注視され、人が育つ経営がおざなりになったことは否めないでしょう。そこで著者は、これまでの経営経験と各界のリーダーたちとの経営に関する議論のなかから、短期的成果を追い求めがちな米国流経営の対極にある、長期的な視点、人を大切にする視点をもつ東洋的な発想も踏まえて、両極の良いところを取り入れた「楕円思考」による経営が大事だと主張します。
楕円思考とは、自分の立ち位置に杭を打つ、同時にその対極にもう一本杭を打ち、二つの杭を包含するような二極合一の思考のことです。つまり、東洋と西洋を包み込むような、また人間と自然を一体化するような発想です。
日本をはじめとする東洋思想と米国を代表する欧米的思想の両極を楕円に見立て、世界的視点による経営がこれからの日本企業の活路だと本書で説きます。
序章 これまでの日本的経営を問い直す
トランプ・ショックと反グローバリズム/楕円思考とは何か/働く人を大切にする日本的システム/利益の源泉はカネ・モノからヒトへ/量から質への経営/デジタルとアナログの中庸
第一章 これからの日本企業の優位性
日本企業の勝ち目は「質」/国内回帰がなぜいいのか/世界一のモノづくりのために/コミュニティ精神の重要性/人(ヒト)が自ずと育つ組織
第二章 東洋の知に学ぶ
成長至上主義への疑問/地政学から見る東洋思想/梵我一如と天人合一/漢方との出会い/アーユルヴェーダとユナニ/荘子が教える「無用の用」/東洋の知に学ぶ変化
第三章 易の思想に学ぶ
万物の循環に注目し未来を予測/易という字の含意/時流に乗らず、時中を探る/時の循環を知り、変化の兆しを読む/不易流行で混沌の時代を生き抜く/易経に学ぶヒトづくりの真髄/学びの循環と「いま、ここ」の積み重ね/職場の結束に求められる現場リーダー/天地人三才の思想/五行思想と漢方による組織マネジメント
第四章 自然の知に学ぶ
生き物の知に学ぶ/農作物の栽培が教えるもの/変態と飛翔?昆虫たちの生き方/知の生態系をつくる/センス・オブ・ワンダー
第五章 集団の力とイノベーション
新結合?新しい組み合わせの創出/「異」から始まる革新/作り手のココロと使い手のココロ/集団の天才をめざす/一体感をつくる「筋交い」の仕組み/経営に汎科学の発想を
終章 よき仕事から生まれる集団の活力
ポスト勤勉社会の仕事意識/日本人の仕事観・職業観/西欧人の仕事観・職業観/仕事と人生を重ねる
常盤 文克[トキワフミカツ]
元・花王会長
1957 年東京理科大学理学部卒業。花王入社。米国スタンフォード大学留学後、大阪大学にて理学博士取得。研究所長、取締役、社長、会長を歴任。
現在は常盤塾、楕円塾、ものづくりの心塾などで学ぶ。
主な著書に『知と経営』(ダイヤモンド社) 、『モノづくりのこころ』(日経BP 社)など多数。
内容説明
これからの「よき経営」とは?米国流の「カネ重視のROE」の対極に、日本流の「ココロのROE」という軸を置け。自分と対極の両方を含めて全体を見る「楕円思考」なら、新しい発見、思わぬ気づきで新しい発想が湧いてくる。
目次
序章 これまでの日本的経営を問い直す
第1章 これからの日本企業の優位性
第2章 東洋の知に学ぶ
第3章 易の思想に学ぶ
第4章 自然の知に学ぶ
第5章 集団の力とイノベーション
終章 よき仕事から生まれる集団の活力
著者等紹介
常盤文克[トキワフミカツ]
元・花王会長。1957年東京理科大学理学部卒業。花王入社。米国スタンフォード大学留学後、大阪大学にて理学博士取得。研究所長、取締役、社長、会長を歴任。現在は常盤塾、楕円塾、ものづくりの心塾などで学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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