ダンテ全集

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ダンテ全集

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  • サイズ A5判/ページ数 10冊/高さ 22cm
  • 商品コード 9784820593201
  • NDC分類 978
  • Cコード C0397

出版社内容情報

解説
剣持武彦
底本:新生堂版(大正13年7月~14年10月)A5判 上製

「神曲」「饗宴」をはじめ、詩・文学・思想におよぶ主要作品を集成した唯一の『ダンテ全集』。
全八巻のすべてを中山昌樹が翻訳(第9、10巻はダンテの研究)し、テクスト(訳文)は「逐語的口語訳=欧文翻訳体」を樹立した画期的全集である。

《特色》
1.翻訳の定本は、イタリア語・ラテン語版・英語版等複数使用しテクスト・クリティクの完璧を期した。
2.各巻に所収作品の詳細な解説を附す。
3.9・10巻では、ダンテの伝記的側面および作品の解明を行なう。
4.新たに現在の研究の成果をとり入れた解説を附した。

《内容》
第1巻
神曲 地獄篇
第2巻
神曲 煉獄篇
第3巻
神曲 天国篇
第4巻
新生・詩集
第5巻
饗宴(上巻)
第6巻
饗宴(下巻)
第7巻
俗語論・水陸論
第8巻
帝政論・書翰集
第9巻
詩聖ダンテ(中山昌樹著)
第10巻
ダンテ神曲の研究(中山昌樹著)

『ダンテ全集』の復刊に寄せて
剣持武彦
(清泉女子大学教授)
ヨーロッパ精神の根源を、ことばで実感したいという日本人にとって、ダンテ『神曲』の翻訳は最も魅力的な仕事であろう。
『神曲』には現実にプロテストする精神が、力強いリズムとなって響きあっているから、プロテスタントのキリスト者たちは、己が思想の先駆者としてダンテ『神曲』を熟読した。
日本プロテスタントのダンテ学者の双璧は東北学院教授であった山川丙三郎と、明治学院教授であった中山昌樹である。
山川丙三郎訳『神曲』(大正3年~大正11年)は現在でも岩波文庫に収められているが、一方、大正14年にダンテの全著作を、平明明快な口語訳で全訳し、『ダンテ全集』(新生社)として刊行した中山昌樹の仕事が、このたび複刻される。
山川・中山の両者は十歳の年齢差はあったがお互いに敬重しあって、日本ダンテ学の基礎を築いた恩人である。
中山昌樹の仕事の再評価の時代を迎えたことを喜びたい。

ああ巡禮よ、物はしげに辿り行くは
距つるものを偲びてか
汝が姿の示すごとく
遠くより来たりし民なりや

そは憂ひの都のただ中を
(『新生』四〇〔四一〕「ソネット」)

中山昌樹 点描
明治19年(1886)4月10日、金沢市に生まれる。
明治43年6月、明治学院神学部卒。
大学では賀川豊彦と同期で親交があった。
大正8年8月まで奉天・京都・東京などで伝導に従い、以降母校明治学院の講師となり同11年より教授。
昭和19年(1944)4月2日没。
著書に『ダンテ全集』(全10巻全訳)、『キリスト教綱要』(全訳)ほかがある。

主要著書
同一内容のものも、版元の異なる場合は掲げた。
ダンテ神曲地獄篇〔訳〕大正6年1月、洛陽堂
ダンテ神曲煉獄篇〔訳〕大正6年2月、洛陽堂
ダンテ詩集新生〔訳〕大正6年2月、洛陽堂
ダンテ神曲天国篇〔訳〕大正6年4月、洛陽堂
守るべき日曜日〔共著〕大正7年8月、日本基督教興文協会
聖アウグステイヌス懺悔録〔訳〕大正8年11月、洛陽堂
基督に倣ひて〔ケムビス/訳〕大正9年10月、洛陽堂
詩聖ダンテ〔著〕大正10年11月、洛陽堂
ダンテ神曲〔訳〕大正11年2月、洛陽堂
基督に倣ひて〔ケンビス/訳〕大正13年4月、新生堂
ダンテ神曲物語〔著〕大正13年4月、婦人之友社
聖アウグステイヌス懺悔録〔訳〕大正13年7月、新生堂
ダンテ神曲地獄篇(ダンテ全集1)〔訳〕大正13年7月、新生堂
詩聖ゲエテ〔著〕大正13年8月、新生堂
ダンテ神曲煉獄篇(ダンテ全集2)〔訳〕大正13年9月、新生堂
ダンテ神曲天国篇(ダンテ全集3)〔訳〕大正13年切月、新生堂
詩聖ダンテ(ダンテ全集9)〔訳〕大正13年12月、新生堂
ダンテ神曲の研究(ダンテ全集10)〔著〕大正13年12月、新生堂
ダンテ新生・詩集(ダンテ全集4)〔訳〕大正14年1月、新生堂
ダンテ響宴(上)(ダンテ全集5)〔訳〕大正14年4月、新生堂
ダンテ響宴(下)(ダンテ全集5)〔訳〕大正14年6月、新生堂
アツシシの聖フランチエスコ 〔サバテイエ/訳〕大正14年7月、新生堂
ダンテ俗語論・水陸論(ダンテ全集7)〔訳〕大正14年8月、新生堂
ダンテ帝政論・書翰集(ダンテ全集8)〔訳〕大正14年10月、新生堂
ダンテ神曲画集〔編・訳〕大正15年1月、新生堂
ミルトン失楽園物語〔翻案〕大正15年4月、婦人之友社
詩集宇宙の微笑〔著〕大正15年8月、新生堂
美しき魂〔著〕大正15年9月、新生堂
基督に倣ひて〔ケンビス/訳〕昭和3年5月、新生堂
ダンテ神曲地獄篇(普及版)〔訳〕昭和3年12月、新生堂
聖アウグステイヌス伝〔著・訳〕昭和7年2月、新生堂
カルヴイン基督教綱要Ⅲ〔訳〕昭和14年7月、教文館
ダンテの神曲〔著〕昭和15年3月、日本放送出版協会