目次
1 「痛き夢」の軌跡―詩人の生涯
2 “初期詩篇”考―私を超ゆる言葉はないか
3 『わがひとに与ふる哀歌』―背反とその葛藤
4 幻の詩集『(拒絶)』―計画と構想の崩壊
5 『夏花』―“凝視”による超克
6 『夏花』―レクイエムとしての詩宇宙
7 『春のいそぎ』―ことばの成熟と崩壊
8 『反響』―静謐な混沌の探求
9 反転する“故郷”
著者等紹介
田中俊広[タナカトシヒロ]
1949年、長崎県福江市生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、同大学国語国文学専攻科修了。長崎県立高等学校教諭を経て、現在、活水女子大学文学部教授。日本近代文学会、日本文学協会、日本キリスト教文学会、日本現代詩人会会員。詩集に『西行の麦笛』(七月堂1987.10)、『水族として』(七月堂2000.2第15回長崎県文学賞)がある
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感想・レビュー
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何度目か。『夏花』の「凝視」によって「意識の暗黒部との必死な格闘」を良くも悪くも解消しようとしたことが理解される。ただある意味では『わが人』にあった伊東静雄のありえたかもしれない可能性みたいなものがどうしようもなく狭くなった印象を拭えない。もちろん、「水中花」や「八月の石にすがりて」など凄まじい絶唱としか言えないものはあるけど、「燕」とかもうどうしようもない俗情に寄りかかりすぎじゃあないか。『春のいそぎ』なんか数編を残して殆ど取るに足りないものだし。2023/10/20
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再読。2022/10/29