内容説明
『長距離ランナーの孤独』『蜜の味』『トム・ジョーンズの華麗な冒険』『ホテル・ニューハンプシャー』などで知られるトニー・リチャードソン。1991年11月、エイズによる合併症で死去したその日に原稿が発見された本書には、一人の男の生々しい生の軌跡が刻まれている。薬局の一人息子として生まれた少年時代、演劇に目覚めたオックスフォード時代、そして女優のヴァネッサ・レッドグレーヴとの結婚、その狭間で燃え上がるジャンヌ・モローとの狂おしい恋、あるいはローレンス・オリヴィエ、リチャード・バートン、エリザベス・テイラー、ヴィヴィアン・リー、アルバート・フィニー、ジャン・ジュネ、デヴィッド・ホックニーたちとの交友。映画・演劇界を横断した鬼才の激しい生涯が、この一書にほとばしる。
目次
幽霊ソナタ
若き日の自画像
稲妻の閃き
水を得たアヒル
世間に出て
コート劇場でのデビュー
次なるシーズン
一発屋ハリー
パンとハニー
ワンダフル、ワンダフル…〔ほか〕