内容説明
400万人が驚いたネット連載、待望の書籍化。
目次
序章 台湾の対コロナ戦争
第1章 「マスク国家隊」のサプライチェーン構築
第2章 情報戦を制す「ガチンコ会見」
第3章 台湾に「素人大臣」がいない理由
第4章 中国もWHOも信用しない
第5章 武漢からの国民救出作戦
第6章 WHOとの戦い、中国との戦い
第7章 SARSの悲劇が生んだ「戦略計画」
第8章 なぜ日台の明暗は分かれたのか
第9章 ピンチをチャンスに、脱中国に
著者等紹介
藤重太[フジジュウタ]
1986年千葉県成田高校卒業後に単身で海外台湾に渡り、国立台湾師範大学国語教学センターに留学後、台湾大学(旧第七帝大)国際貿易学部卒業。夜間は私立大学のオープンカレッジで日本語の講師を4年間務める。1992年香港にて創業、現在株式会社アジア市場開発の代表。2011年以降、小学館、講談社の台湾法人設立などをサポート、台湾講談社メディアでは総経理(GM)を5年間務める。台湾の資訊工業策進会(台湾経済部系シンクタンク)の顧問として政府や企業の日台交流のサポートを行い、各地で講演会も行う。2016年台湾でも富吉國際企業管理顧問有限公司を設立。現在、台湾歴34年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
77
自由経済を掲げる民主主義国家の多くがコロナ禍を受け、共産主義の中国との責任の転嫁の仕合は非建設的。台湾は初動から対応は素早く、都市封鎖も行わずマスク問題もすぐ解決した。理由は感染症を「防疫戦争」とみなし施策を作戦と位置付けたから。常日頃からの臨戦態勢が、強制力のある政策を生み出し、リスクコミュニケーションの重要性を認識し、SNSでのデマの容疑者は逮捕した。大臣はすべてその道のプロ。横の連携を密に有機的に機能できる体制。WHOや中国の言い分を疑い、独自の対応を先回りして行うなど、日本にも見習う点は多くある。2020/09/25
R
36
台湾がコロナ対策をどのように行ったかを手早く解説した本でした。事実の列挙と簡単なコメントなので、中身はあまり深くないのだけども、台湾がスピーディに対応していた事実がつまびらかになって興味深い。この現象をひとつのきっかけにして、国としての転換に利用しているのが凄いと思うところで、防疫という問題でありながら、高度な外交政治問題であるという認識が違いとして明らかだと思った。専門家が能力を発揮できるという環境を用意できるのが凄いな。2021/03/15
榊原 香織
29
台湾のコロナ対策見事でしたね。今、マスクなしで普通に生活できているし。 常に臨戦態勢。 サーズで懲りて2011年にパンデミック用戦略計画を作っていたのが役立った。2020/10/07
yyrn
22
PCに触ったことがなくてもIT担当大臣が務まるのは部下の行政官僚が優秀だから。だたし「平時に限る」ということが今回判明した教訓で、なまじ知識があると民主党時代の菅直人首相のように原発事故現場に行ってしまい(周りが諫められず)そのせいで初動対応が遅れるという場合もあるのでケースバイケースだろう。必要なのは集まってくる情報や専門家の(場合によっては正反対の)アドバイスを冷静に分析して判断することだと思う。日本人は一度立てた計画(インバウンドで4千万人とか)をできれば変更したくないので(立案者の顔をつぶすとか⇒2020/12/08
tetsubun1000mg
15
台湾のコロナ対応が上手くいっているらしい、という位の知識でしたがこんなに完ぺきに抑え込んでいたとは驚き。 状況確認、方針決定、対策実施、法令改定までシステマティックに進められている。 これは2003年の感染症SARSに襲われた時に感染者約3500人、死亡者約80人となってしまった時の反省と対策を国として決めていたから迅速に対応できたようだ。 また、台湾では内閣の大臣で国会議員は4名だけで残りは民間出身の医者、学者などの専門家が務めているらしい。 PCを触ったことが無い日本のIT担当大臣との差はプロと素人?2020/09/07