内容説明
あの日、報道各社は北朝鮮をめぐるトップ級のニュースを報じなかった。産経、日経はベタ記事、朝日、読売、毎日には一行もなく、NHK、民放も無視した。メディアの役割を放棄したのだ…。どう取材したか、しなかったか、どう報道したか、しなかったか、が正しく記憶されるべきではないだろうか。なぜならば、それらをも含めて拉致事件と考えるからだ。
目次
第1章 日本海の方で変なことが起きている
第2章 メディアが死んだ日
第3章 産経も共産党も朝日もない
第4章 いつまで“疑惑”なのか
第5章 金正日が私の記事を証明した
第6章 横田家の40年
著者等紹介
阿部雅美[アベマサミ]
1948年、東京生まれ。72年、産経新聞社入社。社会部、整理部、文化部、シンガポール特派員などを経て、東京、大阪本社社会部長、サンケイスポーツ編集局長、東京本社編集局長、常務取締役、産経デジタル社長を歴任。96年、長期連載「未来史閲覧」で、97年、「北朝鮮による日本人拉致疑惑 17年を隔てた2件のスクープ『アベック連続蒸発』→『横田めぐみさん』」で、それぞれ新聞協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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kan
26
メディアの不報に自戒もこめた北朝鮮拉致問題の取材の記録。スクープは地道な取材の積み重ねだとよくわかった。足で稼ぎ、つぶやきから裏をとり、真相に迫ろうとする記者魂が通じたからこその家族会との連携だと思った。もっと早く大きく報道されていればとの思いもあるが、相手国との交渉の困難さは想像もつかない。子どもの頃、横田めぐみさんの家の近所に住んでいたこともありずっと気になっている。新潟では、夜の海に行くなというのは常識で、90年頃には昼間でも海に行くなと全校集会で言われた。解決の糸口は見えず、ただ祈るしかできない。2024/11/24
ヘタ
20
ある部分において、この国はどうしようもないところまできちゃったんだなと感じる。ただ望みもあるのかな? 全く票にならない、、、どころか(当時は)メディアによってキャリア上「抹殺」されかねないこのマイナーだった事件に取り組んでくれていた政治家がいた。官房副長官時代に大きな役割も果たしてくださっていた。とにかく、事件解決にむけて、「忘れない」、「語り継」いでいきたい! mj、国籍離脱して「リベラル」転向か??!2018/08/30
スウィーニー校長
16
★★★★★ ものすごく読み応えある一冊。80年、産経新聞による北朝鮮拉致の初報を書いた元記者の書。公安関係者が発した何気ない呟き。気になり国会図書館で新聞記事をめくり、富山での誘拐未遂の記事を見て異常性を感じ、現地取材へ。偶然の結果とも言えなくないが、異常を感じ取れる能力あってこそ。 手柄を自慢する事なく、なぜあの時もっと踏み込まなかったのかと、自責の念を込めた文章に誠実さを感じる。2018/09/24
双海(ふたみ)
15
家出?失踪?自殺? 当初は北朝鮮と拉致を想定する人は皆無。無理からぬことだ。「地上の楽園」と捉えられていた北朝鮮の薄気味悪い暗躍にぞっとする。工作員を養成する平壌の金正日政治軍事大学では成績が悪い者は日本担当にされたという。理由は、日本侵入が一番簡単だったから。北朝鮮は日本の法律にも詳しかった。日本の海上保安庁は武器を絶対に使わない、と。
renzhen
8
興味深かった2024/12/11
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- 和書
- 司法権の法哲学的研究