内容説明
石垣島のローカル紙、八重山日報が2017年4月、「沖縄本島版」の発行を始めた。沖縄本島での日刊紙の発行は実に50年ぶり。わずか2カ月で2000部超の読者を獲得し、新聞受けには「一緒に沖縄を変えましょう」のエールが。一方で「八重山日報の配達は禁止」という沖縄タイムス名の文書がネットに流出して…。
目次
第1章 なぜ私たちは本島へ進出したか
第2章 「タイムス・新報」の本質
第3章 「無法地帯」の辺野古・高江
第4章 翁長知事と「オール沖縄」
第5章 翁長王国の「先住民」たち
第6章 自衛隊配備に抗議する人々
著者等紹介
仲新城誠[ナカシンジョウマコト]
八重山日報編集長。1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業。99年の入社以来、八重山の政治、経済、社会問題を中心に取材。2010年から現職。その後、言論誌などにも活動の場を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
24
「ひょっとすると違う見方もあるのではないか」「とにかく相手の言い分にも耳を傾けよう」、簡単なようで難しい。八重山日報沖縄本島版発行にかける努力、地元2紙に忖度する印刷会社、取材拒否、等々。結局、第三の新聞の試みも1年10か月で終わってしまった。「ニッコリ笑って尖閣ぐらいくれてやろうではないか。」なんていう新聞社があるから、玉城知事のように「中国公船が(尖閣諸島の)周辺海域をパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」というような発言になるのだろう。 2019/07/21
yuri
8
八重山日報記者から見た米軍基地問題ルポ。難しくはないけれど…なかなか頭の痛いテーマで、読み進めるのに難儀した。私自身北海道出身なので、地方紙にとっておくやみ欄が超重要コンテンツであり、それゆえ住民は地元紙を取り逃がすことができないという状況は実感としてよくわかる。それだけに、同書の内容は決して他人事とは思えなかった。タイムスや新報、八重山日報の是非は置いておいて、私たち受け取る側のメディアリテラシーの重要性を改めて痛感させられた。2017/11/15
mogutan
7
私の地元新聞「琉球新報」「沖縄タイムス」は、フェアな報道が明らかにされていない。反辺野古移設、反安倍、反自民の一色である。沖縄ではこの2新聞がほぼ独占状況であり、その影響は大きい。私の身近でも「辺野古移設のメリットもあるのでは?」と言えないような雰囲気がある。つまり、自由にものが言えない閉塞感がある。もう少し言えば、2社により言論統制がある。ちなみに、両紙は安倍政権による言論統制が進んでいると批判している。本書を読むことで、沖縄に第3の新聞が必要であることを強く感じ、八重山日報を応援したいと強く思った。2017/08/12
ココアにんにく
6
『八重山日報』という新聞は本書で初めて知りました。沖縄の2紙は、メディアリテラシーを学ぶ上でウェブ版など時々見ていました。2紙がほとんどシェアしている沖縄本島に第3の新聞を作ることの大変さ。取材の難しさなど伝わって来ます。色々知らなかった事が書かれていて衝撃が大きい。その中でもジュネーブでの演説が興味大。山城氏、我那覇氏の演説全文が載っている。我那覇さんの活躍はすごいです。基地前での動画見ました。尖閣は沖縄の島なのに当事者意識の低さにも驚きです。2017/09/13
ryotarocheak
4
沖縄は、ある種の左翼全体主義に陥っているのではないか。 本来、権力と対峙し自由を追求し続けなければならないメディア(沖縄二紙)が、左翼全体主義の主導者になっているとすれば、なんとも嘆かわしい話である。 八重山日報には、その点において、あるべきマスメディアの役割を期待する。2018/05/10