内容説明
救助された元英海軍士官が来日、艦長の墓前で感謝の祈り。日本と英国を結ぶ武人同士の交流に感動と興奮の嵐が…。敵将兵４２２人を救助した駆逐艦「雷」艦長の心とは。戦後六十余年。いま蘇る武士道の全貌。
目次
序章 武士道と騎士道
第１章 英雄の揺籃
第２章 海軍式エリート教育
第３章 英米、日本の大国化を恐れる！
第４章 日・米英決戦準備
第５章 決戦
第６章 ジャワ沖海戦
第７章 駆逐艦「雷」昇天す
終章 工藤艦長、「雷」へ帰る
著者等紹介
惠隆之介［メグミリュウノスケ］
１９５４年、沖縄コザ市生まれ。７８年、防衛大学校管理学専攻コースを卒業。７９年、海上自衛隊幹部候補生学校（江田島）、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。８２年退官（二等海尉）。その後、琉球銀行勤務、米国国務省プログラムにて米国で国際金融等研修（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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スー
20
124テレビを観て知って感動した駆逐艦「雷」と工藤艦長の漂流していた英兵422名を救助した話を詳しく知りたくて読みました。救助の話だけではなく日米開戦までの経緯と雷の建造の話と工藤艦長の生い立ちを交えて救助と雷の最後まで分かりやすく書いてあります。読んで感じたのは日英双方が日英同盟と日本海軍が英国海軍を手本にしている影響で敵愾心が少なく感じます。その証拠に英軍の士官が撃沈されたら日本の船に向かえと指示を出していたようです。工藤艦長が鉄拳制裁を禁じ、下士官との飲酒が禁止されているにも関わらずよく酒を飲んで2019/08/25
ビートオデッセイ
2
ミリタリー好きの私でも「艦これ」を始めるまではこの話を知りませんでしたが旧日本海軍第6駆逐隊の「雷」が英国海軍将兵400人以上を助けた話です。この素晴らしい実話が最近まであまり語られてはおらず、1980年代に助けられた英国将校の米誌への投稿により検証が始まったようです。読み物としては当時の海軍にあった武士道の視点から描かれています。本誌の山場である救助の場面での詳細な描写と巻頭の写真はリアルで感動させられます。2014/11/14
tora
2
開戦後、戦闘地域内で救出を行ったこと、我が方の物資まで提供する潔さ。工藤艦長が立派な海軍将校だということは理解しました。但し、軍令部がこの事実を秘匿する道を選んだこと・工藤艦長の昇進が決して早いグループでもなく海軍内での評価は高いとは思えないこと・・など考えて著者が言うように海軍兵学校がジェントルマンを養成していたなんて事は正確ではないと思う。事実後任の「雷」の艦長は部下を大事にしない（むしろこういうタイプの方が多かったのでは？）。結局のところ海軍将校でも変わり者とされていた「工藤艦長」個人が立派な人です2009/06/28
トジ
0
工藤艦長に敬礼2017/08/13
鰐雨
0
駆逐艦「雷」がジャワ沖で多数の漂流英国将兵を救助した話。その時の艦長工藤俊作中佐の生涯。海軍兵学校での教育方針。当時の国際情勢(現中国での内戦、関東大震災、世界大恐慌からの第二次世界大戦及び日本参戦)。雷の生涯。これらをほぼ時系列順に混ぜて書いてある。特に開戦に至る状況はわかりやすい。件の救助前後になると、英国将兵からの視点でも書かれている。とりあえず、「鬼畜米英」なる言葉がただのプロパガンダではなく、まさに言葉通り鬼畜の所業だったわけだなぁ。もっとも当時の白人至上主義社会では問題視されなかったわけだが。2016/07/02
