内容説明
世界の紛争地を駆け巡る戦場カメラマンの体験記。餓死寸前、毛虫を食べる=コンゴ、ジャングル、死の行進=ウガンダ、戦場の恋人たちに当てられる=ユーゴスラビア、カヌーで決死の川くだり=コンゴ、南米美女図鑑=コロンビア、戦場のダンスパーティー=スーダン、喜び組との合コン=北朝鮮…などなど「危険と面白い話」が盛りだくさん。
目次
アフリカ編
中東編
アジア編
中国・チベット編
欧州・その他編
戦場カメラマン背景メモ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pirocchi
26
何度も気絶しかけた。そして吐きかけた。それほど衝撃的で濃密な一文一文だった。1ページに1回は死んでもおかしくない…というか、全てがどうして生きているのか奇跡にしか思えない話。生まれて初めて出会う言葉ばかり。「雨あられのような砲撃と爆音が響く中、地雷を避けながら中華デリバリーはやってきた。」は?みたいな。彼は人間の残酷を見て、でも人間を信じる人。絶望してもおかしくないのに。知識からの言葉ではない、正真正銘、オール体験記。体験した本当の言葉と、その中で感じたこと。説得力が桁違い。全人類、必読書!2017/09/16
かいゆう
24
テレビではおっとりしていて、戦場カメラマンというのがイメージできない渡部陽一さん。かなりたくさんの戦地と、被災地の現場取材に乗り込んでいる。各地での取材中の裏話的な感じで、その国の生活や文化を垣間見る事ができた。現場が危険なのはもちろんの事、そこへ辿り着くための1,2ヶ月かかる道のりも、ジャングルを掻き分け、ひたすら船を漕ぎ、命のかかったサバイバル。さすがに大声で叫んだり、全速力で走ったりといった場面が度々出てきた。各国のはじめに取材目的が書かれていたが、その取材をまとめた本もぜひ読んでみたいです。2017/01/21
Yuuki.
19
1つ1つのエピソードが長くても見開き2ページ半程度なので、隙間時間に最適。現代日本で普通に暮らしていると体験しないような(そして絶対に体験したくないような)壮絶な体験がリアルに書かれていて、思わず眉間に皺が寄る。また、紛争地域や災害被災地に住む人達の日常や、あまり馴染みのない国々の食べ物やトイレ事情、さらには喜び組との合コンの話まで、興味深い話題が盛りだくさん。普通のニュースやドキュメンタリー番組からは知ることの出来ない話が多くて面白かった。2017/08/28
イリエ
12
印象的なセリフから始まり、4、5ページの短編がアフリカ、中東、アジアとつづく。どれも、クレイジーで、面白い。野犬に襲われたエピソードは読み物としても最高。テレビに出る前の渡部さんの強烈な仕事のレポート。2018/04/13
Wisteria
10
テレビで観る不思議なキャラクターとは別人のように、戦場カメラマンらしくサバイバルしている。いやいやもう私なら絶対行きたくない。でも行く人がいるからこうして私なんかは平和なポジションから悲惨な世界を知る事ができる訳で…。ただ、死ぬほどの無理はしないでね。2018/01/28
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- 和書
- 水神 〈上巻〉 新潮文庫