内容説明
離縁状研究50年の著者が誘う、三くだり半のワンダーランド。収集した一三〇〇通から選り抜いた一〇〇通の三くだり半が、悲喜こもごもの男女の離別を鮮やかに描き出す。
目次
1 嫁入りの三くだり半
2 婿の三くだり半
3 地域で異なった三くだり半
4 関連文書のある三くだり半
5 多様な三くだり半
6 先渡し離縁状と返り一札
7 明治の三くだり半
8 縁切寺の三くだり半
9 執心切れ一札
著者等紹介
高木侃[タカギタダシ]
専修大学史編集主幹。1942年生まれ。1966年中央大学法学部卒業。1969年同大学院法学研究科民事法専攻修士課程修了。1994年中央大学より博士(法学)を授与される。専攻は日本法制史、家族史。関東短期大学教授、国際日本文化研究センター客員教授、専修大学法学部教授のほか、縁切寺満徳寺資料館館長を歴任。現在は太田市立縁切寺満徳寺資料館名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HH2020
4
◎ 「三くだり半からはじめる古文書入門」に続いてこの著者の2冊目を読む。内容はタイトルのとおり。三くだり半の現物が写真で示されるので崩し字を学ぶのにぴったりだ。大量の三くだり半が収録されているわけだが、そのすべてがこのひとの収蔵物とのこと。他の著作もすべて三くだり半がらみばかり。この分野の第一人者であるのは疑いようもないようだ。それにしても人生を捧げて選んだテーマが三くだり半とはなあ。いや、べつにかまわないんだけれど。2018/03/23
フラボノ
1
昔の書類は爪印もあったんだね。花押や血判状の拇印をよく見ていたけど、爪印は知らなかった! あと昔の書類、読めない。明治時代の三行半もあるけど、なかなか厳しい。末期でも115年ちょっと前、それでこんなに文字が読みづらく感じる。歴史の変遷を確認できて楽しいね2024/09/11
トーテムポールさん
0
三くだり半のワンダーランド(原文ママ)研究歴50年の離縁状の大家とでも言うべき著者のコレクションが、当時の筆遣いまで分かる鮮やさで掲載されている。三くだり半といえば、夫の方が具体的な理由も書かずに一方的に突き付けるもの。というイメージを崩し、再婚許可書でもあるのだから、不都合がないようあえて離別の詳細を書いていないとする立場が、著者の研究により主流になっているらしい。具体的な解説や理論は最小限で、本のどこを開いても、三くだり半の写真が目に飛び込んでくる。ワンダーランド以外の何物でもない。2017/12/04
くろ
0
題名の通りに実際の離縁状の写真がパターンごとに何例も紹介され、その読み下し分と解説付き。合間で離縁状とは何か、なぜ三行半なのかなどの話が少しあり。本当にたくさんの写真が紹介されるので、本の途中から全く読めなかった崩し文字が読める部分が出てきて面白い。たぶん今ならどこかで離縁状が発見することがあったらそれと分かるはず。2022/09/01