内容説明
戦前期マルクス主義の代表作の一つであり、日本における社会科学の展開に大きな影響を与えていった『日本資本主義分析』を読み直すことを通じて、新たな山田盛太郎像を提示する。
目次
第1章 山田の講演を聴く
第2章 「共産党シンパ事件」まで
第3章 『日本資本主義発達史講座』
第4章 『日本資本主義分析』
第5章 『分析』の特徴とその反響
第6章 構成主義と『分析』
第7章 未来主義と『分析』
第8章 『分析』の後
第9章 山田盛太郎の位置
著者等紹介
寺出道雄[テラデミチオ]
1950年東京に生まれる。1974年慶應義塾大学経済学部卒業。現在、慶應義塾大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
20
『日本資本主義分析』をアヴァンギャルド芸術(構成主義と未来主義)として分析。非常に面白く、説得力ある読み。2024/04/09
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
3
日本資本主義の構造を見事に描き、そこに浮かび上がる近代天皇制の桎梏を痛烈に批判し革命を謳いながらも、優れた言語感覚で一語一句の伏字や削除をされることなく厳しい検閲をかいくぐり、読んだ大塚久雄に衝撃を与え、小林昇をして「ほとんど呪文の響きを持つ文体」と言わしめた伝説の書『日本資本主義分析』(1934)をアヴァンギャルド芸術作品として捉えることでその謎めいた書の解読に挑む山田盛太郎入門の決定版。個人的に特に第九章「山田盛太郎の位置」における「モダニズム」と「マルクス主義」と「近代主義」の思想整理が秀逸だった。2017/02/01
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