出版社内容情報
中世から近世にかけてのフランドルやオランダの毛織物工業の動向を中心に展開し、その特質を実証的に明らかにする。
内容説明
中世から近世にかけての西ヨーロッパ諸国における経済的盛衰の歴史を、フランドルやオランダの毛織物工業史の動向を中心に焦点を当て、その特質を実証的に明らかにする。
目次
第1章 フランドル毛織物工業の複合的構成とその展開(フランドル毛織物工業の複合的構成;フランドル毛織物工業の展開)
第2章 フランドル毛織物工業における都市工業と農村工業(毛織物工業規約と品質管理の問題;都市工業と農村工業のせめぎあい ほか)
第3章 レイデン毛織物工業の展開と脱ギルド(レイデンの旧毛織物工業の歩み;レイデンの新毛織物工業 ほか)
第4章 フランドルの遺産を継ぐベルギー、オランダの近代毛織物工業(ティルブルフ毛織物工業―下請から自立へ;ヴェルヴィエ=オイペン毛織物工業―国境を跨いだ工業化)
著者等紹介
佐藤弘幸[サトウヒロユキ]
1941年小樽市生まれ。1965年東京外国語大学卒。1971年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
7
毛織物関係の本は何冊か読んでいるのだけど、これが一番面白かったかも。単純に文章が巧いし書き方も素晴らしかった。データだけに偏らず、著者本人の考えや、他の研究者についてここはおかしいと思うけれどこんなふうに解釈したのかもしれない、等の書き方がより理解を助けてくれた気がする。12~17世紀くらいまでを軸にして、オランダ・ベルギーあたりの毛織物の変遷を記していく。さらに毛織物の作り方も細かく記してくれ、それぞれの毛織物が従来の物とどう違うのか等がわかりやすかった。度量衡もメートル法に換算してくれてるぞ! 完璧!2021/01/18