内容説明
国際競争下の地域産業の存立は可能か。競走馬産業の集積地・日高は国際化・馬産不況に晒される一方、産業構造転換とクラスター化を図っている。農協の新たな役割とは何か。
目次
序章 地域問題としての競走馬産業
第1章 競走馬産業の特質と産地構造
第2章 競走馬産地の形成過程
第3章 競走馬産業と協同組合
第4章 競走馬経営の展開方向
第5章 地域産業クラスターと協同組合
終章 競走馬産業の課題と展望
著者等紹介
小山良太[コヤマリョウタ]
1974年東京都に生まれる。97年北海道大学農学部卒。2002年同大学大学院博士課程修了。博士(農学)。現在、北海道大学大学院研究員、北星学園大学・酪農学園大学非常勤講師、北海道地域農業研究所協力研究員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
524
0
日本における競争馬産業の発展と、農家と組合のつながりの変遷を述べた本。国際化の波、高額シンジケート種牡馬の登場、調教過程の高度化によってサラブレッド生産の中心である日高地方の小規模生産者は方向転換を余儀なくされている。勝馬投票券の売上減少に起因する賞金の削減、新規馬主の減少、それに伴うサラブレッド自体の減少などもつきまとう。日本における馬産は競争馬用であるものがほとんどだが、欧米では乗馬文化が根付いており、生産者を取り巻く環境も異なる。日本も競馬の構造を改める時期が来ているのかもしれない。2012/05/23