内容説明
農政史や農業関係の書物からは、客観的な農業の変貌の推移は読み取れるものの、そのなかで苦闘した農民の姿が見えてこない。本書は、生々しい農村の実情、国策に翻弄された農民たちといった、日本の農民がたどった受難の数十年を、歴史の生き証言として書き残した昭和の農民文学に解説を加えたものである。
目次
序章 農民文学と私
第1章 文学的出発のちがい
第2章 それぞれの再出発
第3章 分かれた国策への対応
第4章 戦争の傷跡をどう描いたか
第5章 農民文学会に集まった人びと
第6章 農業近代化を傍観した丸山義二と和田伝
著者等紹介
佐賀郁朗[サガイクロウ]
昭和6年北海道に生まれる。24年旧制弘前高等学校終了。31年東京大学農学部卒業。32年全国農業協同組合中央会入会。教育部出版課長、中央協同組合学園教務部長、教育部長を歴任。61年(社)農協電算機研究センター常務理事。平成2年(社)農林放送事業団常務理事。6年(社)日本有線放送電話協会会長(9年5月退任)
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