内容説明
近代史と現代史は切り離せないという視点から19世紀末の日本とアジアに焦点をあて、現在を読み解く手がかりとする。歴史学、社会学、文学など分野の異なる研究者による学際的アプローチ。
目次
第1部 アジアと日本の思想(大和魂の成立―自尊と他卑;近代日本の進路とアジア主義;日本漢学の臨界点―荻生徂来・竹内好から引き継ぐもの)
第2部 東アジアにおける国家と民族(日本の唐人町と内地雑居;三井物産のアジア認識と日本型企業進出―買弁の排除と「現地化」の意味;利用と排除の構図―一九世紀末、極東ロシアにおける「黄色人種問題」の展開)
第3部 「国民」の統合と隔離(隔離と消毒―明治のコレラ対策における予防と治療;長崎におけるコレラの流行と「救済」―世紀末におけるその展開;足尾鉱毒・渡良瀬川沿岸被害農民のたたかいと明治国家―幕臣閣僚・榎本武揚の去就)
著者等紹介
原田勝正[ハラダカツマサ]
1930年、東京市に生まれる。東京大学法学部政治学科卒業。現在、和光大学名誉教授(日本近代政治史専攻)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。