内容説明
歴史的に見て地域と国民国家と国際社会は、何らかの「市場圏」を媒介とした緊張関係にあったが、近年の世界経済はECのように国民経済、国民国家のわくをも越える「統合」、すなわち国際的な地域主義を生み出そうとしている。地域と市場(圏)を歴史の文脈の中で問い直す。
目次
第1章 スミスの歴史理論における「個体認識」について―「段階移行」と地域の問題
第2章 地域主義の倫理的基礎―柳田国男著『遠野物語』の経済思想史的意義
第3章 共同体理論再考―共同体再評価論を手がかりに
第4章 ジャワのヨーマンリー?―農民甘蔗作発展史序説
第5章 アメリカ経済史と経済発展論
第6章 反穀物法運動の地域的基盤をめぐって
第7章 使用者団体の再編と地域―1870年代イギリス機械産業に即して
第8章 一九世紀ドイツにおける農業奉公人―バイエルンを中心として
第9章 クラーク清算―ヴォルガ 1930年
第10章 戦間期フランスのヨーローッパ経済統合構想
第11章 第二次大戦期におけるレジスタンス運動の戦後統合構想―ヨーロッパ統合への本格的端緒