内容説明
「最大多数の最大幸福」を唱えた功利主義の始祖、ジェレミー・ベンサム。だがその思想は長く誤解され続けてきた。第一人者が描く新しいベンサム像。
目次
1 伝記的概観
2 最大幸福原理
3 言語と方法
4 法典編纂対コモン・ロー
5 憲法理論
6 政策と福祉
7 ベンサムとベンサム主義
感想・レビュー
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うえ
6
「ベンサムとブラックストンとの意見の相違の重大な原因…は、コモン・ローおよび制定法のそれぞれの長所をめぐる彼らの違いであった。ベンサム自身は制定法の多くに批判的であった。かれには、制定法もきわめて膨大であり、配列も混乱しており、普通の人びとには事実上理解不可能なように冗長で専門的に書かれていると思われた…だが、制定法は、形式の点では、コモン・ローよりもあるべき法律についてのかれの考えにはるかに密接に一致した。法律とは制裁によって支持、強制される主権者あるいは立法権力の意思の表現であるべきと、かれは考えた」2018/03/17