内容説明
本書で取り挙げるのは、中央政界では全く無名の、神奈川県郡部において明治中期から昭和初年まで活動した一陣笠代議士山宮藤吉である。31歳で県議候補となり、その後落選と当選をくり返しながらも県議・代議士へと押し上げられていった地盤は何であったのか。また藤吉はその地盤をどのように維持し拡大していったのか。政治的ステイタスの上昇に応じて増加する選挙費・活動費をどこから調達したのか。彼の政治的献心の対象は如何なるものであり、その課題をめぐって地方政治家集団がどのように離合集散をくり返したのか。山宮藤吉を取り巻く地方政界の動向を明らかにしながら、従来の政治史研究では等閑に付されてきた問題を具体的に示そうとするものである。
目次
第1章 地方政治家の誕生(高座郡における改進派の形成と結集;政治家としての出発;山宮家の資産と選挙費用)
第2章 国政壇上へ―反政友派の結集(県政界の変貌;県議時代の山宮と地方政界;地盤培養時代;代議士への途;山宮家の資産と選挙費用)
第3章 陣笠代議士の政治生活(山宮の政治姿勢;議員活動;選挙戦;地盤培養活動;総選挙落選;選挙費用と資産調達)
第4章 地盤の亀裂(町政革新運動;再起を目ざして)
第5章 再起と引退(三たび議会へ;議員時代の活動;現役引退)
感想・レビュー
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