内容説明
日本人の心で理解できるキリスト教を文学の営為を通して生涯追い求めた遠藤周作。その作品に込められた神学的意図と創作技術、文化的受肉の実践を読み解く。
目次
序論 遠藤文学への神学的アプローチ
第1部 文学における神学的意図―神学と文学の相互作用(預言的ヴィジョン―信仰共同体の内外への訴え;創作方法にみる神学的意図―神学の方法と形態の可能性;文化的受肉の神学―定義、根拠、構成と緊張関係)
第2部 神学―信仰論、神概念、罪と救い、啓示神学、文化的受肉(信仰論―迷いと疑いへの積極的意義;究極的かかわりとしての信仰―ティリッヒの信仰の概念から捉え直す;神概念の探求―超越、内在、パーソナル性からの再検討;罪と救い―幸いなる罪の神秘;啓示神学―自らを働きとして顕わにする神;文学的使命、文化的受肉―日本人にとってのイエス像を探る)
第3部 作家論―信仰と創作技法(キリスト教信仰と文学的使命―布教意識を問う;文学の特徴―神学的アプローチによる解釈上の効用;信における認知的発展のパターン―悟りの文学、神探求と自己理解の狭間で;『沈黙』の初期研究に貢献した二人のイエズス会士)
第4部 作品論―文化的受肉の実践(『黄色い人』、人間の悲惨と救いの物語―文学理論の適用;『わたしが・棄てた・女』にみる「過越の神秘」―ミツとイエスを結ぶシンボリズム;『沈黙』における文化的受肉―ロドリゴの「土の違い、水の違い」との出会い;『死海のほとり』、救いの物語―隠れてある神に出会う信仰の旅;『深い河』における美津子の人生の意義への探求―人間学的アプローチ)
結論
著者等紹介
古橋昌尚[フルハシマサナオ]
清泉大学教授。上智大学英文学科卒業、同大学研究科哲学専攻修了、同文学研究科英米文学専攻修了、ボストン・カレッジ神学部大学院(旧ウェストン神学大学院)修了、博士(文学・ノートルダム清心女子大学)。早稲田大学公開講座講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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