感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
58
カミサンが読みかけていたので拝借。著者ふたりはいずれも元カルト信者1世で現在はプロテスタントの牧師。カルトとは何かという基本的な事項からわかりやすく解説し、カルト=相手の人権を奪う不当な支配(そういう意味ではDVもカルトの一種といえるとも)と位置づけ、その問題点、マインドコントロールがいかに行われるか、また今話題のカルト2世救済問題までを、コンパクトかつ必要十分な内容で説明する。憲法20条は「信仰を持たない自由」も保障しており、カルトはそれを侵してくると書くように、著者側の信仰に誘導するものではない。2023/09/19
おさと
6
選ぶ自由と選ばない自由。人の弱みにつけこんで…結局お金なのか。。。と、さもしい。2023/12/21
乱読家 護る会支持!
5
カルト宗教も、カルトとは分類されていない新興宗教も、長い歴史を持つ宗教も、その宗教を「信じる」ということにおいては同一であり、信者とその家族の行動や生活に影響を与える。 スピリチュアルな真実は、誰にもわからないのだから、信仰そのものに「騙した」「騙された」は存在しない。 その上で、カルトと普通(?)の宗教の線引きは、本来は「程度問題」であり、明らかに「程度」をこえた事象として現代の法に照らしあわて違法性があるかどうか、信者とその家族の基本的人権が奪われているかどうかである。2024/05/29
せぶこ
3
特定のターゲットに十数名が示し合わせて集団で同様のアプローチをかけることにより、実際は「仕組まれた出会い」なのに、ターゲットにされた人は「自分の好みに合った人を自由に選択している」という錯覚に陥ってしまうのです。/考古学などで発見される化石を見て「人類」と「そうでないもの」を分ける指標のひとつになっているのが、「死んだ仲間を弔った形跡があるかないか」だそうです。【感想】本書では「カルトを知ること」の重要性が強く謳われている。最後にカルト関連の書籍を複数冊紹介していることから作者の気持ちの強さが読み取れる。2024/11/28
ころりん
2
次々と手口を変え、嘘も厭わないカルトに、どう抵抗力をつけるか。 「支配」の暴力性と、「自己共感」の自由さに敏感であること・・・なんじゃないか、が今の感想。 厳しい現実とともに、確かな希望と目指す方向性がある書です。 印象的な言葉: 家族関係に問題があって、その家族のためにとカルトに入った人を、家族が「とにかく救出してくれ」と丸投げにする構図。 脱会後「欺した人に謝罪しなければダメだ」と追い立てられるのも、「白黒思考」の洗脳の後遺症。 「正しさ」に耐えきれない”弱さ”を認める補助装置も、宗教の役割の一つだ2023/08/07