内容説明
遠藤から私たちへの遺言とも言える『深い河』。この作品と宮沢賢治やマザー・テレサの宗教性との共鳴、他の作品や膨大な資料をたどりつつ、『深い河』に遠藤がこめたメッセージを解き明かし、私たちを愛と寛容に開かれた宗教理解へと促す。
目次
第1部 『深い河』を読む(夕暮の眼差し―「『深い河』創作日記」に触れて;磯辺の場合―愛する者の死後の行方をさがす旅;大津の場合―イエスの愛に生きる旅;美津子の場合―真の愛をさがす旅;沼田の場合―動物との魂の交流を求める旅;木口の場合―戦友の死後の平安を祈る旅;母なる「深い河」―魂の故郷を求める旅)
第2部 『深い河』の宗教性をめぐって(マザー・テレサと響きあう世界;宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と響きあう世界)
著者等紹介
山根道公[ヤマネミチヒロ]
1960年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒、立教大学大学院修了、ノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所教授。博士(文学)。遠藤周作学会代表。日本キリスト教文学会中国支部長。日本文学とキリスト教を研究テーマとして、遠藤周作を中心に八木重吉、宮沢賢治、芥川龍之介等に関する論文、著作を発表。また、遠藤と志を共にする井上洋治神父が日本におけるキリスト教の文化内開花を目的に1986年より創めた「風の家」運動を共にし、その機関誌「風」の編集・発行を担う。同じ頃より遠藤らが設立した日本キリスト教芸術センターの会員となり、月曜会に参加。現在も、「風の家」運動を引き継ぎ、「風」発行、風編集室YouTubeチャンネル動画配信などの活動に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。