内容説明
厭世的・虚無的な書とされてきたコヘレト書をまったく新しく読み直す、待望の注解。“反黙示思想の書”として解釈するとき、この書を貫く「今ここで存分に生きよ」との声が聞こえてくる。
目次
緒論(書名と位置づけ;構成と統一性;著者および編集の問題;成立年代と時代背景 ほか)
注解(表題、標語、詩文―1:1‐11;独白‐王の企て―1:12‐2:26;決定と不可知‐時の詩文―3:1‐17;死の宿命―3:18‐22 ほか)
著者等紹介
小友聡[オトモサトシ]
1956年生まれ。1986年東京神学大学大学院修士課程修了。1994‐99年、ドイツ・ベーテル神学大学留学(神学博士)。現在、東京神学大学教授、日本基督教団中村町教会牧師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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沖縄電鉄社長
1
「空」という言葉ゆえに、仏教とも共通性を有する厭世の書と考えられていた「コヘレトの言葉(伝道者の書)」を、時代状況から解き起こし、ダニエル書や「死海文書」を書いたクムラン教団に代表される黙示的終末思想を、伝統的ユダヤ教の立場から徹底的に批判する書物と著者は考える。「人は必ず死ぬ。その時は人にはわからない。だからこそ自分の人生を徹底的に生きよ」と読み解く。2021/11/22
monjR
0
本書は小友氏の推定による「コヘレト書は黙示批判の書である」という視点からの解説です。あらゆる箇所から黙示批判の思想を見出そうと、「知者」「愚者」「義人」「悪人」といった相反する単語がその場の解釈によってすべて「黙示論者」とされるのはややこじつけも感じます。 また自身の解釈の正当性を押し出すためなのか新約聖書に通じる思想を見出した場合はちゃんと紹介する一方で、そうではない箇所に関しては徹底的に無視する態度には疑問を感じます。小友氏のコヘレト書の解釈である裁きと復活の否定は明確に反キリストだと思うのですが。
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