内容説明
倫理と宗教、二つの「普遍」の相剋するテロリズムの時代、いかにして両者の調和を求めうるのか。旧約聖書「エレミヤ書」を通してその答えの一端を模索する。
目次
第1章 申命記史家とは誰か
第2章 応報倫理思想の展開
第3章 エレミヤ書における悔い改め
第4章 救済の条件法
第5章 災いの条件法
第6章 「新しい契約」をめぐって
第7章 「新しい契約」の哲学的解釈
著者等紹介
田島卓[タジマタカシ]
1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻倫理学専門分野博士後期課程修了。博士(文学)。国際基督教大学教育研究所助手、放送大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nashcft
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大きな流れとしては申命記史家とエレミヤの「悔い改め」や「赦し」に対する思想の比較を行いつつ、エレミヤ書の中でのエレミヤに由来するテキストを検討し、また20世紀の哲学者たちによる「赦し」の議論も参照しながら、エレミヤ書における「新しい契約」で語られる「赦し」を解釈する、というもので、その大きなテーマ自体も大変興味深いのだが、その中で行われている、申命記史家特有の応報思想はなぜ胡散臭く感じられるのかや正義と復讐の暴力性における分かち難さなどの個別の議論もまた身近なものに感じられて楽しく読むことができた2018/11/06