内容説明
1945年8月9日、長崎で被爆したキリスト者医師・永井隆は、重傷を負いながらも救護活動を続ける。戦後、寝たきりの重病人となってからも、平和の大切さを訴え、数多くの本を残した。『長崎の鐘』を聞きながら。
目次
第1章 永井隆ってどんな人?
第2章 島根から長崎へ
第3章 入隊、そして洗礼と結婚
第4章 おかしな戦争
第5章 医学者として
第6章 原子爆弾
第7章 再び、浦上へ
第8章 如己堂
第9章 平和を
著者等紹介
片山はるひ[カタヤマハルヒ]
1959年東京都生まれ。上智大学フランス文学科卒業、同大学院博士課程修了。フランス・プロヴァンス大学にて文学博士号を取得。上智大学文学部教授を経て、上智大学神学部教授(専攻・キリスト教文学、キリスト教の霊性)。ノートルダム・ド・ヴィ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バニラ風味
17
知人に「読んでもらいたい」と渡された本。長崎が原爆の被害を受けた土地ことは、もちろん知っていました。浦上天主堂も訪れたことがあったけど、今平和であるその背景に、こんな事実があったことは知りませんでした。今まで、ちゃんと知ろうとしなかった、というのが正しいかも知れません。こういう方がいて、苦難の道を歩いても希望を持ち、生きている限り「本当の意味で生き続けた」ことを知るのは大切ですね。終わったことを「過去のこと」にせず、ちゃんと伝えていくことが後世の平和につながるように思いました。2015/11/05
rokubrain
8
先日、長崎を旅したとき、バスの車窓からみた如己堂。 それまで、そこの住人だった永井隆博士のことは、知らなかった。 たまたま図書館で見つけた本。 科学も精神世界も真理を追い求めた人。 ゆえに飾らない人柄が心を打つ。 戦後70年に一番 心に響いたものは、永井隆さんの言動にあった。 (間接話法の「談話」じゃね・・・)2015/08/17
Inuko
6
青少年に向けて語るように書かれた伝記。長崎で被爆し余命幾ばくもない中、原爆の荒野に住み、命を燃やし尽くすように愛と平和を訴えた人。国家表彰を受けた偉人であるが、私にとって印象的だったことの一つは、自身を澄んだ目で見ることができる謙遜な人柄。隆は、「普通なら隠しておきたい自分のありのままの姿をユーモラスにえがき、人に知ってもらおうとする人」だった。もう一つは如己愛人の精神。2度の出征を含む苦しみの経験の数々、病い、貧しさにかかわらず「相手をみたらすぐにっこりしていたわる」隆のような平和の人に、私もなりたい。2021/02/05
セシリア
3
これまで永井博士のことは断片的に読んでいたが、この本は分かり易くよくまとめられていた。同じ日本人として、博士の存在を誇りに思う。彼の遺志を幾らかでも継げる生き方が出来ればと。2015/05/04
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