出版社内容情報
箏曲「六段」の原曲はグレゴリオ聖歌だった!? 音楽史の謎に迫る一冊
中世・ルネサンス音楽史の権威が、《箏曲「六段」はキリシタン時代に伝来したグレゴリオ聖歌「クレド」の旋律を元に作られた》という仮説に挑戦。曲の構造や様々な状況証拠の検討から、キリシタン期の音楽の姿を再現する。ローマで「クレド」「六段」を同時演奏したDVDも収録。
【目次】
序 文
I マドリード版『サカラメンタ提要』
1 長崎版『提要』底本の有無
2 マドリード版『サカラメンタ提要』
3 マドリード版の内容
4 四つの『提要』
5 四つの『提要』記載の聖歌
6 長崎版記載曲目の独自性
7 印刷技術
8 記譜法
9 聖歌旋律の比較
10 長崎版における日本語
11 むすび
?U キリシタン期の日本における
「連祷」(リタニエ)をめぐる諸問題
1 はじめに
2 「連祷」とは
東京国立博物館所蔵『キリシタン・マリア典礼書写本』収録
「聖マリアの連祷Litaniae Lauretanae」全文および訳
3 16世紀以降の「連祷」
4 キリシタン期日本における「連祷」
5 『キリシタン・マリア典礼書写本』記載「連祷」の旋律定型
6 「連祷」と「アンティフォナ」
7 むすび
「連祷」収録聖歌集一覧(17世紀以降)
付論 茨木・東家旧蔵『吉利支丹抄物』に書写された
「聖体秘跡の連祷」(原田裕司)
?V 箏曲《六段》の成立に関する一試論
――日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い――
1 はじめに
2 クレドとは
3 クレドと六段の重ね合わせ
4 キリシタン期の日本におけるクレド
5 ヴィオラ・ダルコの参加
6 その他の楽器
7 邦楽器でクレドを奏した者
8 六段作者の姿
9 賢順か八橋か
グレゴリオ聖歌《クレド》第一番〜第六番、
箏曲《六段》 比較楽譜
《クレド》の歌詞対訳
付論 《六段の調》解題 (久保田敏子)
(1)曲名について
(2)作曲者について
(3)段物に共通する特色
(4)《六段》と《すががき》の研究
(5)当時の音階
(6)《すががき》と《調べ》
(7)希望的推論
参考文献
初 出
付録DVD解説
内容説明
箏曲『六段』の原曲はグレゴリオ聖歌『クレド』だった?著者の指揮による双方の同時演奏DVDを交え、仮説を検証。前著『洋楽渡来考―キリシタン音楽の栄光と挫折』への補論も収録し、歴史に埋もれたキリシタン期の洋楽伝来の実態に光を当てる。
目次
1 マドリード版『サカラメンタ提要』(長崎版『提要』底本の有無;マドリード版『サカラメンタ提要』;マドリード版の内容 ほか)
2 キリシタン期の日本における「連祷」をめぐる諸問題(「連祷」とは;16世紀以降の「連祷」;キリシタン期日本における「連祷」 ほか)
3 箏曲『六段』の成立に関する一試論―日本伝統音楽とキリシタン音楽との出会い(クレドとは;クレドと六段の重ね合わせ;キリシタン期の日本におけるクレド ほか)
感想・レビュー
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くすこ
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