感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さく
14
絵本講師講座のレポートを書くために借りてきました。松居直さんは、言葉を大切にする方なのだなと感じます。「耳で聞いて、目で全く同時に物語を読み取ったときに、子どもの中に本当の絵本の世界が見えてくるのです。本当の絵本は子どもの中にできるのです」言ってることは当たり前というか、普通のことなのに、こういう心に残るフレーズを書けるの、すごいな、と思います。2025/02/09
みなみ
3
言葉の中に命がある。その言葉を聞く力、読む力が衰えてきた日本にあっては、日本人の命もやせ細っていくのではないか。子どもをめぐる環境を「絵本は声の文化である」という自論を中心に展開していく。つい説得されてしまうのは、マーシャ・ブラウンやマリー・ホール・エッツにビアトリクス・ポターという好きな作家の作品や本人との語らいが例にされているためかもしれない。敗戦直後、国のために死ぬことしか考えていなかった軍国少年に、生きることを教えたのがトルストイ全集全22巻とは恐れ入った。2011/07/04
チェ
1
国語は「読み書き」以前に「聴く」ことである(特に母親から)。本離れ、活字離れとは即ち言葉離れである。お母様から教わった雨降りの表現が今も忘れられないこと。言葉を知っているだけでは作文は書けないこと。などのことが印象に残り、興味深かった。蛇足かもしれないが、赤ちゃんが産まれてすぐ五感をはたらかせているのに、哺乳瓶やベビーカーがそれを阻害しているという書き方などなど、著者は昔の人だと思う箇所があった。細かいが、この本が読まれて欲しいであろう若い親たちとの間に距離を感じるような表現は、どうも気に掛かる。2019/01/16
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- 和書
- 馬場文耕集 叢書江戸文庫