内容説明
シェイクスピアは聖書をどう読み、作品に反映したか。『あらし』と「創世記」「黙示録」、『ヴェニスの商人』と「ローマの信徒への手紙」等、聖書が作品に与えた影響を、最新の手法で聖書と作品双方の深層に分け入って分析。「聖書の影響を受け、聖書を自由に解釈した」シェイクスピアの作品の核心に迫る。
目次
第1章 序論―“聖書に口づけを”
第2章 子孫と繁栄―『あらし』における「創世記」
第3章 歴史的類型―モーセ、ダビデ、ヘンリー五世
第4章 「ひと足踏み出せば崖っ鼻」―「ヨブ記」と『リア王』
第5章 真実の虚偽と虚偽の真実―『尺には尺を』と福音書
第6章 “危険な自負心”と“聖書の証拠”―『ヴェニスの商人』とパウロの「ローマの信徒への手紙」における引喩
第7章 啓示の仮面劇―“アポカリュプス”としての『あらし』
著者等紹介
マークス,スティーヴン[マークス,スティーヴン][Marx,Steven]
1942年生まれ。コロンビア大学卒。文学博士(スタンフォード大学)。英文学・西洋文化・文学としての聖書などを専攻。カリフォルニア州立工芸大学教授
山形和美[ヤマガタカズミ]
1934年生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)大学院文学研究科修士課程修了、同博士課程中退。文学博士。イギリス文学・比較一般文学専攻。筑波大学名誉教授
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感想・レビュー
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viola
5
おお。著者のことは知りませんでしたが、謝辞に出てくる研究者が錚々たるメンバー。スティーブン・グリーンブラットに、スタンリー・ウェルズに、ロバート・ミオーラ(まさに昨日から彼の論文を読んでいるところ)。だけれど、肝心の内容の方は、面白いとも、興味深いとも、論文に使えそう、とも思えず・・・。執筆はしていないけれども上記メンバーが書くように勧めたり、企画に関わっていたり、先に一読していたりするわけなので、おそらくかなりの良書なんだと思われるのですが、より聖書の知識があったところでどうかなぁという印象。2012/10/17
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