内容説明
イギリス史はローマ帝国によるブリテン島支配の時代から始まる。各所に残るローマ文明の遺跡は、世界遺産に指定されているハドリアヌスの長城をはじめ、今も大切に保存されており、訪れる人も数多い。紀元前1世紀のカエサルによるブリテン島遠征から始まって、5世紀に帝国支配が終わるまで、発掘の成果も織りまぜながら、ブリテン島がローマ世界の重要な一角をなしていた500年の歴史をたどる。訳者による懇切なローマ遺跡案内「イギリスで「古代ローマ文明」を楽しもう」を付載。
目次
1 イギリス史の始まり
2 ローマによるブリテン島征服
3 後期ローマ帝国時代のブリテン島
4 ローマのブリテン島統治の終焉
著者等紹介
サルウェイ,ピーター[サルウェイ,ピーター][Salway,Peter]
1932年生。ローマ時代ブリテン島の研究。現在、イギリスのオープン・ユニヴァーシティ名誉教授
南川高志[ミナミカワタカシ]
1955年生。古代ローマ史、現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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組織液
15
ローマ時代のブリテン島についての概説書です。後半はイギリスに残るローマの遺跡について翻訳者が解説しています。内容は簡単でしたが、翻訳のせいかなんか読みづらかったですね。あと、この本だといわゆる「蛮族の共謀」を、本当に蛮族が共謀してローマ領のブリテン島を攻撃したというかのように述べていたのが気になります。こうゆう記述は初めて見ました。『海のかなたのローマ帝国』も今度読んでみます。2021/02/22
たかはし
2
ローマ時代のイギリス史。知りたかったことが書かれていた一冊だったが、回りくどい文が多くてちょっと読みにくかった。巻末の、訳者によるイギリスにおける古代ローマ文明案内はイギリスへの旅を誘う。本当に、いつかもっと学んで行ってみたい。ハドリアヌスの長城を実見したい。2019/08/16
すがし
2
イギリス人によるローマン・ブリテンの概説。ごく薄い本であり翻訳も感銘。実に手ごろな入門書……のはずなのだが、なぜだがちょっと「わかりにくい」。この「わかりにくさ」の中身がいまいちよくわかっていないので断定はできないが、多分あっさり書きすぎてかえってわかりにくくなっているか、さもなければ「イギリス人によるイギリス人のための自国史」なのだと思う。2012/11/09
viola
2
この何とも綺麗な表紙の色と、タイトルの字体からして何となく分かりましたが、これは専門書ではありません。著者のピーター・サルウェイは古代イギリス ローマン・ブリテンでは特に有名な人(らしいです)が書いただけあって、専門書に近い概説書という感じになっています。もうちょっと分かりやすくしてもよかったんじゃないかな。むしろ注釈付けて専門書にするとか。正直あまり理解できていませんが、さらっと読める文章で(おそらく翻訳が良い)あっという間に読めます。今読んでいる翻訳者『海のかなたのローマ帝国』の本の方が分かりやすい。2012/06/30
サアベドラ
2
日本語で読める数少ないローマン・ブリテンを扱った本の1つ。まあ、わざわざ日本語で読む分野でもないと思うけど。日本人でこんな分野に手を出す人は漏れ無く英語が読める人だろうし。ついでに、イギリス人の書く属州史は美化して書かれることが多いので注意が必要。イギリス人はローマ大好きですからねえ。日本人の洋風趣味みたいなものでしょうか。2008/09/21