内容説明
バルト神学の母胎となった説教の中から翻訳可能なすべての説教を年代順に収録。バルトの神学的転換に決定的な意義を持っていた第一次世界大戦の勃発直後、恐れと混乱の中で戦争に対する批判と深い慰めが語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
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解説にもあるように、時代が第一次世界大戦中であるため、その殆どの説教が戦争に言及しているということが大きな特徴。恥ずかしながら、この大戦においてスイスがどのような位置づけにあったということはよく知らないのだけれど、とにかく微妙な位置にあったのではということはこの説教集からある程度推察できる。戦争やナショナリズムをキリスト教信仰によって正当化するということがごく当たり前に行われていた難しい状況の中で、そうした潮流に対して、真っ向から否と唱えたバルトの勇気は称賛に値すると思う。2011/04/17