内容説明
自分の弱点を消し、手厚く堂々と構えていれば、碁は簡単に負けるものではありません。むしろアマの方は地を稼ぎすぎて弱い石を作り、薄みを衝かれて負けるケースが多い。本書では複雑な変化や難解な戦いになるべく足を踏み入れない打ち方についてお話ししています。
目次
第1章 力を貯める
第2章 力を出す
第3章 わかりやすく打つ
第4章 本因坊に就く
著者等紹介
高尾紳路[タカオシンジ]
昭和51年10月26日生まれ。千葉県出身。藤沢秀行名誉棋聖門下。平成3年入段、4年二段、5年三段、6年四段、8年五段、10年六段、12年七段、14年八段、17年九段。8年新人王。16年第60期本因坊戦リーグ入り。17年本因坊。同年棋道賞優秀棋士賞、秀哉賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
52
高尾紳路の碁を評するに「淡々」という言葉がよく使われる。実利を先行されても焦らず、厚い手を打ち続けるからだろう。本書はそういう高尾の打ち方や考え方に触れるには良い本である。第一章では力を貯める打ち方を説く(羽根直樹とは逆の発想)。さらに漠然とでよいから何かと何かを見合いにする…つまり複数の狙いを残す打ち方(これは羽根と共通する)。第二章は築いた厚みをどう活かすかについて。第三章はわかりやすく打つための心得。第四章は本因坊戦の自戦解説。遅れているようで主導権を握っていく高尾の碁からは、たくさんの事を学べる。2017/01/29