内容説明
『民主の壁』は中国の民衆の民主化への願いだった。ここを舞台に民衆の文革以来の怨念と不満が書きこまれていた。人権を求め民主を求めていた魏京生(29歳)もその1人だった。だが、“外国人に軍事情報を提供した”“反革命を煽動した”という理由で、懲役15年の判決を受けた魏京生。彼が提供したという情報は街の噂でしかなかった。彼が反革命を煽動したというのは、部数わずか千たらずの『探索』誌に、民主化を求めた文章を書いたにすぎない。魏京生は民主運動抑圧のスケープゴートか。―獄窓につながれた魏京生は訴える。
目次
第1部 民主化要求と言論の自由(被告魏京生にたいする起訴状;法廷尋問;検察側証人;起訴理由;魏京生の反対弁論;検察官の反駁;判決―懲役15年)
第2部 民主活動家の証言(20世紀のバスチーユ監獄―秦城1号;功徳隆の「功徳」;反革命と言論の自由;中国人権宣言19ヵ条;法律と民主;毛沢東思想を打倒せよ;人権・平等および民主主義;民主主義かそれとも新たな独裁か;民主主義と国家建設について;伝月華事件について、公安局・検察・司法等の関係諸部門に送る公開の手紙;伝月華事件調査記録;伝月華の拘留は合法か;中国当局の民主化運動弾圧についての声明)
第3部 北京当局の見解・治安諸法(壁新聞等規制に関する北京市革命委員会通告;「西単の壁新聞」について;魏京生に懲役15年の判決;反革命犯は断固処罪せよ―『人民日報』評論員;人民の判決―魏京生の上訴、却下さる)
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