内容説明
著者の専門は政治学で、とくにマスコミやジャーナリズムを専門にしているわけではない。しかし、東南アジアの共産主義とベトナム戦争に関心を払いつづけている中に、朝日新聞記者だった本多勝一氏と対決することになって、人生の四分の一にも当たる時間を費やして裁判を闘った。そして地裁、高裁、最高裁と三連勝したわけだが、その経験を通して日本のジャーナリズム、マスコミのあり方を大いに考えさせられた。本書はその記録と、著者の感想である。よりよい日本の将来のため、マスコミ、ジャーナリズムに積極的に関わり、その健全な育成に参加し、誤りや偏向のあるときはこの是正に努めることは、われわれ国民の権利であり義務であることを強調しておきたい。
目次
本多勝一氏はどんな左翼だろうか
第1部 裁判提起まで(本多勝一氏との争い;前哨戦(1)東京学芸大学への公開質問状
前哨戦(1)本多氏と堤『諸君!』編集長との文書合戦)
第2部 裁判始まる(人違い裁判?;くい違う争点)
第3部 証人尋問(証人席の本多氏;対比の妙、硬派・村田氏VS.軟派・筑紫氏;剛直の堤氏)
第4部 録音テープをめぐる攻防(いわれない“改竄”の汚名;本多氏の謀略;最終弁論)
第5部 判決下る(地裁判決;完全勝利;高裁判決;最高裁判決)
著者等紹介
殿岡昭郎[トノオカテルオ]
昭和16年7月7日栃木県足利市生まれ。昭和41年3月慶応大学法学部政治学科卒業。昭和46年3月慶応大学院法学研究科博士課程終了(政治学専攻)。昭和46年4月駒沢大学法学部専任講師就任(昭和49年9月退職)。昭和49年10月東京学芸大学助教授就任(昭和58年12月退職)
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