内容説明
災害発生件数が大きく減少した職場で、ある日突然、死亡災害や重大災害、企業経営に甚大な影響を与える爆発・火災などの重篤な労働災害が発生することがある。繰り返し災害に対する対策は、めったに発生しないが重篤度の高い災害に対しては必ずしも有効ではない。では、めったに発生しないが重篤度の高い災害は、どのようにすれば防止できるのか。本書では、安全工学に関する膨大な知見の中から、現場の管理・監督者が特に苦手とする課題を取り上げて、平易に解説した。
目次
第1章 労働災害防止対策における安全管理上の留意点
第2章 静電気による労働災害を防止するには
第3章 機械構造物の破壊の原因を解明するには
第4章 制御システムの安全関連部を適切に設計するには
第5章 仮設足場を適切に設計するには
第6章 土砂崩壊による労働災害を防止するには
第7章 爆発・火災による労働災害を防止するには
著者等紹介
梅崎重夫[ウメザキシゲオ]
昭和55年埼玉大学工学部電子工学科卒業。民間の電気会社で半導体試験装置の開発業務などに従事した後、昭和58年に労働省入省。労働基準監督官として名古屋東、刈谷、柏崎の各労働基準監督署に勤務した後に、昭和62年に労働省産業安全研究所(現独立行政法人労働安全衛生総合研究所)機械研究部に入所。主に機械設備の労働災害防止対策、特にフェールセーフ、安全装置、安全制御、リスクアセスメント、安全管理、労働災害の調査および分析に関する研究に従事している。現在、独立行政法人労働安全衛生総合研究所。機械システム安全研究グループ部長。博士(工学)、技術士(機械部門、総合技術監理部門)。長岡技術科学大学客員教授。日本大学客員教授。日本機械学会、日本信頼性学会会員
板垣晴彦[イタガキハルヒコ]
横浜国立大学工学部安全工学科において安全工学の扉を叩き、平成2年に横浜国立大学大学院博士後期課程(物質工学科専攻)を修了、博士(工学)を取得。同年に労働省に入省し、産業安全研究所(現独立行政法人労働安全衛生総合研究所)化学研究部に配属。以降、ガス・蒸気の爆発特性や自然発火などの実験研究のほか、労働災害・爆発火災についての災害情報の収集分析を行っている。現在、独立行政法人労働安全衛生総合研究所化学安全研究グループ上席研究員
齋藤剛[サイトウツヨシ]
平成10年東京工科大学大学院博士後期課程(システム電子工学専攻)満期退学。東京工科大学工学部機械制御工学科助手を経て、平成13年に独立行政法人産業安全研究所(現独立行政法人労働安全衛生総合研究所)機械システム安全研究グループに入所。機械のリスクアセスメント、安全設計基準、本質的安全設計方策、安全制御などに関する研究に従事。現在、独立行政法人労働安全衛生総合研究所機械システム安全研究グループ主任研究員。博士(工学)
伊藤和也[イトウカズヤ]
平成15年東京工業大学大学院理工学研究科博士後期課程(土木工学専攻)修了。同年、独立行政法人産業安全研究所(現独立行政法人労働安全衛生総合研究所)建設安全研究グループに入所。主に斜面掘削工事や溝掘削工事中の土砂崩壊災害、トンネル工事中の落盤災害などといった地盤に関係した労働災害防止に関する研究に従事。現在、独立行政法人労働安全衛生総合研究所建設安全研究グループ主任研究員。博士(工学)。土木学会、地盤工学会、日本地すべり学会、砂防学会、日本騒音制御工学会、日本地震工学会会員
山際謙太[ヤマギワケンタ]
平成15年東京大学大学院博士後期課程(機械工学専攻)修了。同年、独立行政法人産業安全研究所(現独立行政法人労働安全衛生総合研究所)機械システム安全研究グループに入所。主に鉄鋼材料の破断面解析を始めとして、材料の破壊・破損に起因する労働災害防止対策の研究に従事。現在、独立行政法人労働安全衛生総合研究所機械システム安全研究グループ主任研究員。博士(工学)。日本機械学会、日本材料学会、日本材料強度学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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