感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲンキ
136
小学生の娘が、明日朝の読書の会で本書を朗読すると聞き一緒に読みました。本書は、クラスで「朝読書に読んでほしい本」一番に選ばれたとのことでした。食肉加工センターに勤めるお父さんが息子の授業参観に行ったときの話です。絵本ですが、ボロボロ泣けました😢私も娘も、奪われた命の意味も、食肉加工センターのお父さんのように生き物の命をとる方々の悲しみも知らず、肉などを食べていました。今日から改めて、生きていること、命をいただいていることに感謝して、手を合わせていただきます、ごちそうさま、と言いたい。食べ残さずに🙇2020/02/02
seacalf
95
いのちをいただく。とても大切なことだけど、きちんと実感してないこの重いテーマを絵本という読みやすいかたちで提示してくれる。シンプルだけど、ずっしりとしたインパクト。素直に思い悩む食肉加工センターの坂本さんがとても素敵。しのぶくんや娘さん、おじいちゃんにお孫さん、担任の先生もみんな素敵。本編とは別の活動をされている巻末の八尋さん、村松さん、西さん達もそれぞれとても素晴らしくて頭が下がる。薄い本だけど、深く心に残る。自分のように、いのちを食べている実感を忘れがちな人にはおすすめの一冊。2018/05/16
masa
80
80ページに満たない絵本なのに読んでいる間はずっと泣き通しだった。人が生きるということはたくさんの命を頂くこと。いろんな命を奪うこと。子供向けには勿論のこと、大人が読んでも今一度大事なことに気付かせてくれる素敵な本でした。以前、仕事で訪れた宮城県登米市の農業生産法人社長が語っていた言葉を思い出します。「今の子供達には鶏を絞めて食べるくらいの体験をさせないと、命の大切さや人が生きるということの原点は教えられない。」命を投げ出してくれた動植物へ「いただきます」と「ごちそうさま」は心を込めて言おう。15682015/04/25
モリー
77
生きることは、他の命を奪う事。命を奪うことは残酷なこと。しかし、私たちはその残酷さを覆い隠した暮らしになれ、命を粗末に扱っていはしましか。発砲トレイにパッケージされた肉は平気で切り刻めるが、目の前の生きた牛や魚をさばけるか?と問われたら、私もおそらくたじろぐだろう。まして、家族のように育てた牛の命を奪うなどということができようか。そういう仕事を誰かに担ってもらい、私たちは生きているのだ。「生教育」という言葉を本書で初めて目にした。蛇足だが、学校で習う教科化された「道徳教育」とやらより余程必要ではないか。2020/06/10
gtn
74
食肉加工に長年携わる父。殺生への後ろめたさ、そして率直には書かれていないが、職業蔑視により仕事に嫌気がさす。それが息子にも伝わり、引け目を感じる。しかし、教師はその息子に、父とその生業の尊さを教える。この教師は真の教育者である。こんな人が増えていけば、日本に何百年も巣くう穢れ思想も徐々に消えていく。2019/10/12
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