出版社内容情報
文政12年、材木置き場の奥で燃え上がる炎――「己丑の大火」から照降町を守るため、佳乃と周五郎は決死の策に出る。感動の第二巻。
内容説明
文政十二年三月。神田佐久間町の材木置き場で、小さな火がくすぶり始めた。やがてそれは、「己丑の大火」となって江戸の町を襲う。鼻緒挿げの女職人・佳乃と弟子の浪人・周五郎は、照降町の象徴であり神木の老梅を猛火から守り抜こうと、夜を徹して決死の行動に出る―。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
150
実際にあった文政2年の大火を題材に、照降町に暮らす鼻緒職人・佳乃と弟子・周五郎が奮闘するシリーズ二巻目。町の象徴の老梅を守ろうとする佳乃の覚悟と、牢から解き放ちになった囚人が大店・宮田屋を襲う企てを防ぐ周五郎の活躍。ラストは病の父・弥兵衛の最期。物語は佐伯さんの既読の作品とどこか重なり合うストーリーなのだが、テンポよく進む。次巻は花魁・梅花の下駄に纏わる話になりそう。このまま楽しみにしたい。 2021/05/30
とし
79
照降町四季「己丑の大火」2巻。無意識に捨てた見習職人の吸 い差しが、一夜にして江戸の町を焼き尽くす事に、照降町も巻き添えに。自分の命をも省みず照降町の「老梅」守った鼻緒職人・佳乃さんと、弟子の周五郎さん、照降町の皆さんの活躍に感動 一気読みでした。 2021/09/13
ともくん
34
猛り狂う炎に呑み込まれる江戸の街。 そして、周五郎が世話になっている鼻緒屋がある照降町にも火の手が迫る。 約三十七万軒もの家々が焼失。 この文政の大火に、周五郎ら江戸の民はどう立ち向かうのか。2023/04/19
fuku3
14
2021.6.22読了。照降町四季シリーズ第ニ弾。文政十二年三月佐久間町から火の手が上がり強い風に煽られ江戸中を焼き尽くした『己丑の大火』が起こった!鼻緒屋の女主人佳乃は照降町の御神木の老梅を見習職人の周五郎と町の男衆と一晩中水を掛け続け老梅を守りきった!牢獄も焼け落ち囚人達も町に放たれた!宮田屋の主人と大番頭から店の隠し財産を守ってほしいと頼まれた周五郎は二度に渡り宮田屋を襲った囚人達を見事に成敗した!佳乃の父弥兵衛は一時は持ち直したが亡くなった!弥兵衛は佳乃の嫁入りを心配していた!佳乃は仕事に専念!2021/06/22
一五
10
浪人周五郎(やはり)剣豪。大火のあとの佳乃の働き方と、照降町の復興が楽しみ2022/01/12