内容説明
近世最大規模の私塾「咸宜園」を主宰した教育者としてだけでなく、頼山陽・菅茶山と並ぶ江戸後期の代表的詩人であり、学者としても独自の思索で異彩を放つ広瀬淡窓。豊後日田の生んだ偉人の生涯と思想を情熱を込めて描く。
目次
第1章 広瀬淡窓の生涯
第2章 教育者としての淡窓
第3章 詩人としての広瀬淡窓(賞賛された詩才;淡窓の詩論―『淡窓詩話』;淡窓の詩)
第4章 儒学者としての淡窓(淡窓の思想;淡窓の著作)
著者等紹介
深町浩一郎[フカマチコウイチロウ]
1951(昭和26)年9月、日田市に生まれる。1970(昭和45)年3月、大分県立日田高等学校卒業。1974(昭和49)年3月、鹿児島大学法文学部法学科卒業。同年4月、大分県庁就職。前・大分県日田地方振興局総務課長。現在・大分県福祉保健部健康対策課主幹。「天領日田を見直す会」会員。「久津媛と日田の古代を語る会」会員
岡田武彦[オカダタケヒコ]
九州大学名誉教授
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
3
大分の日田で江戸幕末期に最大の私塾を作った広瀬淡窓の生涯を描いた一冊▼家業は、日田で商家を営んでいた。日田は、幕府の天領であったこともあり、当時は要衝の地であったため、周辺の藩とも交流があったようだ▼淡窓自身は、何度も大病しながらも永らえ74歳まで生き、永世苗字帯刀の許可を得た人間である。本人だけでなく、妹は若くして宮中に仕えたり、弟(広瀬旭壮)は大阪で塾を開いたり、皆ご活躍である▼塾生の能力を重視し、能力があれば誰でも進級できるシステムで先進的である。本書では詩人や政策を論じる淡窓も見られ、面白い。2025/07/26