内容説明
耐え難いうつ、PTSD、解離…。パートナーからの暴力(DV)から逃れた後もつづく生き難さ。深い傷を抱えながら生き抜く著者からのメッセージ。
目次
1章 私の経験した暴力(暴力による支配;身体的暴力 ほか)
2章 離れた後の生きづらさ、症状を抱えて(逃げ出してからもつらい日々;うつ―耐えがたいしんどさ ほか)
3章 私なりの「回復」(幸せになるとはどういうこと?;新たな出会い ほか)
4章 ☆さん支援者として(☆さんのために何かをしたい;準備期間 ほか)
著者等紹介
中島幸子[ナカジマサチコ]
NPO法人レジリエンス代表。DVコンサルタント、ソーシャルワーカー、米国法学博士、大学非常勤講師。DV被害の経験がきっかけとなり勉強を始め、2003年に女性のための「こころのcare講座」をスタート、同年「レジリエンス」結成。米国ソーシャルワーク修士号取得。各地で毎年数多くの講演を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
果菜子
4
色んな意味で固定概念を覆される一冊。暴力によって精神的に支配される人のマインドについて、いかに自分の理解が浅かったかを思い知らされる。そして、トラウマを持って生きることのリアルについての、著者の表現力のすさまじさに圧倒されるとともに、こうやって向き合って言葉にすることの苦しみを想像して頭が下がる思い…でもそれにより、トラウマを持つ人と持たない人の間にあった深い溝に何らかの橋がかかることを、読書体験を持って実感した。2013/11/06
猫田
2
本や映画を見て泣くことは滅多にないのだけど、凄まじい暴力から回復しようとしている著者の姿に、涙が出た。 とくに性暴力は、誰にも言えず苦しむ人の方が圧倒的に多いと思うので、自分の体験を話したり、サポートする場を設けたりしている著者の活動に、多くの人が助けられていると思う。尊い一冊。2019/09/21
永野間かおり
2
4年半に渡る壮絶なデートDV(カップル間のDV)体験から、DV被害者を支援するNPO法人レジリエンスを立ち上げた中島さんの経験を元にした本。読み終えて、DVによる体と心の傷が完全に癒えることなどないのだと、副題の「トラウマとともに生きる」から感じた。DV被害にあっているかも…という方に何ができるか?は誰もが知っておいた方がよい。自分も周りの誰かも、いつ被害者(そして加害者)になるかわからない問題の一つがDVなのだ。2017/11/18
しぶりん
2
講演を聞く前にと本を読んでいました。トラウマのことは理解していたつもりでも、内面までは理解していないことに気づかされました。2017/01/01
tacchu
2
辛い記憶をたどり、今までの経過を表現した著者はすごいと思いました。人が人を支配する恐ろしさを感じ、DVは絶対になくさなければならないこととの思いを深めました。2016/09/22