出版社内容情報
■子どもを取り巻く状況の深刻化
家族、地域、社会が急速に変貌するなか、子どもに影響が及ぶ問題も複雑化しています。子どもの未来が絶たれる事件が報じられるたびに、「もっと何かできなかったのか」「自分にすべきことがあったのではないか」と心を痛める方が多いでしょう。本書は、そうした思いをお持ちの方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
いじめ、不登校、ひきこもり、心の病などの課題に加え、SNSを使ったネットいじめや市販薬のオーバードーズが急増するなど、取り組むべき問題は大きく変化しています。貧困、児童虐待、ヤングケアラーなど、家族全体を支援につなげる必要のあるケースも多く、状況は深刻化しています。
■どのように子どもを支援すればいいのか
経済発展を遂げ、恵まれているはずの日本において、子ども食堂やフードバンクが急速に広まったことは、過酷な状況にある家庭が多いことを物語っています。子どもが十分に食事をとれず、身の回りの世話も行き届いていない場合、その家庭の状況に即した支援が求められます。利用できる制度、経済的支援などは個々で異なるため、生計が立てられるように支援メニューを組み合わせる必要があります。支援の手を差し伸べる際には、そうした選択肢について幅広い知識を得ておくことが重要です。
■周囲の大人はどうすれば子どもを救えるのか? 具体的な支援につなげるためには?
「苦しむ子どもたちを救いたい」「子どもたちの将来を拓く手助けがしたい」といった高い志が折れないよう、支援者を支援する重要性が認識されつつあります。支援者が一人で子どもの痛みや苦しみを抱え込まないようにしなければなりません。児童相談所、学校、保育園、幼稚園、こども園、行政機関、福祉関係者などの方々は、職場の同僚や上司、そして関係する機関の方々と連携し、地域の方々ともつながったネットワークを形成していくことが大切です。
本書は、困りごとや課題を抱えた子どもたちに広く見られるサインから、対処が必要な問題を把握し、支援につなげられるように構成しています。同じように、外部から垣間見える家庭の状況から問題に気づき、子どもだけでなく家族全体をサポートできるように独立した章を設けました。
内容説明
家族、地域、社会が急速に変貌するなか、子どもに影響が及ぶ問題も複雑化しています。子どもの未来が絶たれる事件が報じられるたび、「もっと何かできなかったのか」「自分にすべきことがあったのではないか」と、心を痛めている方も多いのではないでしょうか。こまりごとや課題を抱えた子どもたちに広く見られるサインから、対処が必要な問題を把握し、早急に支援につなげられればという思いから本書は作られました。まわりにいる大人が、子どものSOSに早いうちに気づき、力強くサポートすることで、子どもたちの明るい笑顔がこの世界にきっと増えるはずです。
目次
1章 すべての子どもの健やかな成長のために(すべての子どもには生きる権利がある;少子化対策のなかで進められた子育て支援 ほか)
2章 子どもからのサインを支援につなげる(発達障害;児童虐待・貧困 ほか)
3章 家庭の困りごとを確実にキャッチする(経済的困窮・貧困家庭―家庭の状況 家賃や料金の支払いの遅滞、いつも疲弊して体調が悪い、子どもの世話が行き届かない;ひとり親家庭―家庭の状況 親が働きづめで家にいない、体を壊して寝込んでいる、生活が苦しそう ほか)
4章 支援で壁にぶつかったときには(関係者・支援者へのクレーム対応;教育現場で奮闘する教員らへのサポート ほか)
著者等紹介
櫻井和典[サクライカズノリ]
社会福祉法人和枝福祉会理事長。社会福祉法人ル・プリ理事。障碍者施設、高齢者施設、保育園、児童施設の施設長を歴任後、法人理事長等に就任し現在に至る
廣瀬貴樹[ヒロセタカキ]
一般社団法人かけはし代表理事。元横浜市立小学校教員。「生きづらさを抱えている子どもたちに寄り添いたい」と、14年間の教員生活を経て、子どもの居場所「かけはし」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。