内容説明
「xn+yn+zn(n≧3)を満たす自然数x、y、zは存在しない」これがフェルマーの最終定理と呼ばれるものです。一見、簡単に証明できそうですが、そこには、無限、という底知れない罠が仕掛けてあったのです。天才と呼ばれた数学者たちがこの問題に挑戦してきましたが、証明までには360年かかりました。しかし、その360年はまったく無駄ではありませんでした。この問題の証明の過程で、数多くの数学上の発見があったことも事実なのです。本書はフェルマーの最終定理とその定理に深く関わる数論について、様々なエピソードを交えて、できるだけわかりやすく解説しました。
目次
第1章 最終定理はなぜ難関か?
第2章 数論・基本の基本
第3章 数論の不可思議世界
第4章 素数の謎と発見の歴史
第5章 挑戦者たちと証明法
第6章 「最終定理」への新たなアプローチ
第7章 ワイルズの格闘・そして証明
著者等紹介
関口力[セキグチツトム]
中央大学理工学部教授。1972年、中央大学理工学部専任講師となる。米ハーバード大学滞在研究員、オランダ国ユトレヒト大学プロジェクト研究員などを経て1985年中央大学理工学部教授。代数幾何学、特に群スキームの変形理論の研究を行っている
百瀬文之[モモセフミユキ]
中央大学理工学部教授。1981年3月東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。1994年4月、中央大学理工学部教授に就任。長谷川雄之氏(早稲田大学)との共同研究として以下のような研究をすすめている。有理数体Q上の楕円曲線はモジュラーであるという「谷山・志村予想」が1994年にワイルズにより(条件つきで)証明され、その結果フェルマー予想が最終的に解決した。楕円曲線が半安定であるという仮定を外す努力も多くなされているが、次のステップとして、数年前から以下の三つの対象に対して「谷山・志村予想」の一般化に関連する諸問題を研究中。(1)代数体上の楕円曲線(2)Q上のアーベル多様体(3)種数g〉1の代数曲線
久我勝利[クガカツトシ]
1955年、神奈川県生まれ。主に科学関係の仕事を中心に執筆活動を続けるかたわら、テレビの科学番組の企画・リサーチも担当
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感想・レビュー
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