出版社内容情報
《内容》 脳血管障害をテーマに,臨床シミュレーションでは特徴的な症候や問題点を症例呈示と設問設定によって,分かりやすい解説で短期間の間に基礎から臨床までを理解できるよう企図されている.総論ではわが国のトップクラスの現役の脳血管障害専門医が執筆.広い分野をカバーし,一般内科医だけではなく専門医にとっても充実した内容となっている.
《目次》
総 論
1 脳血管障害の分類と疫学
2 脳血管障害の原因の臨床的鑑別法と検査法
3 脳血管障害の画像診断の進歩
4 脳梗塞急性期の治療の現状と展望
5 虚血性脳血管障害の外科治療の現状と展望
6 出血性脳血管障害の外科治療の現状と展望
7 脳卒中急性期のリハビリテーション
8 未破裂脳動脈瘤の破裂率と予防手術の適応
9 脳梗塞再発予防の抗血小板・抗凝固療法のEBMと展望
10 脳卒中の予防-高血圧治療を中心に-
11 脳卒中データバンク構想の現状と展望
12 脳卒中診療におけるインフォームド・コンセント
疾 患 編
1 CTなしで虚血性か出血性か分かるか?
2 発症時に予後の予測は可能か?
3 血栓溶解(融解)療法が有効なのはどんな場合?
4 急性期抗血小板・抗凝固療法は有効か
5 危ない「めまい」を見逃すな!
6 怖い片麻痺-Herald hemiparesisとは何?
7 半側空間無視と半盲は違う
8 危ないしびれを見逃すな!
9 片目のかすみと半盲はどう違う?
10 一過性脳虚血発作は危ない!
11 ストレスは脳血管障害を誘発するか?
12 Early ischemic CT signとは何か?
13 聞き逃すな!頸部血管雑音
14 突然の記銘力障害はどうして起こる?
15 発熱のある弁膜症性脳塞栓は要注意!
16 頭痛を伴った失神はすぐ脳神経外科専門医へ
17 高齢者の亜急性のぼけに要注意
18 MRIは脳梗塞発症直後に検出可能?
19 脳梗塞の再発リスクは予測できるか?
20 脳梗塞再発予防では血圧をどこまで下げるべきか?
21 無症候性脳血管障害は本当に脳卒中の高危険群か?
22 脳塞栓ではいつから再発予防の抗凝固療法を始めるか?
23 失語と構音障害をどう鑑別するか?
24 脳血管性痴呆とアルツハイマー病はどう違う?
25 脳血管障害になりやすい体質(遺伝子多型)とは?
26 急性の譫妄・錯乱状態も局所神経症状
27 血管性うつ病と内因性うつ病はどう違う?
28 半身の激しいしびれ痛みの外科療法
29 リハビリテーションはいつ始める?
30 急性期には脳循環自動調節能は保たれている?
31 脳卒中で痙攣を起こすのはどういうタイプ?
32 摂食・嚥下障害のリハビリテーションは有効か?
33 脳梗塞の既往のない心房細動にどう対応する?
34 肩手症候群とは?
内容説明
日常診療でよく遭遇する症候や診断治療上の問題点を取り上げ、症例を呈示して設問により、まずこれはなんだろう、どう対処すべきだろうという点を考え、その後で的を絞った分かり易い解説を読んで理解して頂こうというのが本書のねらいである。しかし、シミュレイションばかりでは面白くないので、まず脳血管障害の概要を知って貰うべく、総論をわが国のトップクラスでかつ現役の脳血管障害専門医に書き上げて貰った。このテーマは疫学から実際の臨床現場に役立つ診断技術、内科的・外科的治療、リハビリテーション、Evidence based Medicine(EBM)まで広い分野をカバーしている。内容は一般内科医だけでなく脳血管障害を専門的に扱う医師にとっても大変充実しており、レベルの高い最新情報を分かり易くまとめただけでなく、EBMを組み込むことにより説得力を持たせている。
目次
総論(脳血管障害の分類と疫学;脳血管障害の原因の臨床的鑑別法と検査法;脳血管障害の画像診断の進歩;脳梗塞急性期の治療の現状と展望 ほか)
疾患編(CTなしで虚血性か出血性か分かるか?;発症時に予後の予測は可能か?;血栓溶解(融解)療法が有効なのはどんな場合?
急性期抗血小板・抗凝固療法は有効か ほか)
著者等紹介
小林祥泰[コバヤシショウタイ]
島根医科大学第3内科学教室教授
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