出版社内容情報
「排日移民法」や強制収容といった日系人の経験は別の移民集団へと連鎖し、国境・人種・階級をこえた相互関係を紡いでゆく。ロサンゼルスの農地を舞台に、メキシコ人移民の大規模な流入にも結びついた知られざる史実を活写。経済・外交との連関も見据えて、複数の移民史の絡み合いを初めて包括的に描いた力作。
【目次】
凡 例
序 章 少数派間関係から移民史を描き直す
-- 日墨移民関係の形成とロサンゼルス
1 人種エスニック集団間関係をめぐる先行研究
2 本書の構成
第1章 「排日移民法」の意図せぬ影響
1 ロサンゼルスの農地 -- 太平洋に臨むグローバルな遭遇の場
2 メキシコと日本における近代化と出移民
3 「墨国は諸君を待つ」-- 日本人排斥の時代
4 米墨国境地域における日本人移民社会圏の発展
第2章 「メキシコ人問題」の浮上と日墨移民関係
1 移民労働者の受け入れと人種主義 -- 白人アグリビジネス界のメキシコ人認識
2 不審な「メキ」と未開の「土人」-- 日本人移民のメキシコ人認識
3 メキシコ系新聞の発行と日本人の経済活動
4 メキシコ人移民の定住者意識と労働運動の高まり
5 世界恐慌とメキシコ人本国送還事業
第3章 「環太平洋の国境地域」の形成とエルモンテ・ストライキ
-- 日本人移民農家とメキシコ人移民労働者の衝突
1 ロサンゼルスのベリー農場で生まれた国際問題
2 米墨国境地域で高まる反日感情
3 ストライキの終結と三人種序列関係をめぐる課題
第4章 関わり合いの深化とヴェニス・ストライキ
-- 集団内の結束か、異集団間の調和か
1 労働組合は希望か脅威か -- 日墨移民集団間対立の新たな展開
2 日系人社会内の分断とメキシコ人支援の拡大
3 日本人移民ナショナリズムのニューディール的展開
第5章 日系人強制収容と農業危機
-- 軍事的必要性と食料安全保障のジレンマ
1 戦時期カリフォルニア州における日系農業
2 軍事か、経済か -- 強制立ち退きと食料安全保障
3 日系人強制排除とメキシコ人労働者の受け入れ
第6章 農地に刻まれた信頼
-- 日系人排除後の三人種関係
1 スペイン統治由来のランチョと三人種序列関係
2 戦時下の農地における借地農不足とメキシコ人
3 持続する三人種関係 -- 戦時下の紐帯と信頼関係
終 章 越境的空間としてのロサンゼルス
-- 日墨移民史がひらく調和と共生の可能性
あとがき
注
引用文献
索 引



